2013 Fiscal Year Research-status Report
探索的脳研究に寄与する脳深部蛍光イメージング法の開発
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24659648
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
山本 清二 浜松医科大学, メディカルフォトニクス研究センター, 教授 (60144094)
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Keywords | 脳神経疾患 / 橋渡し研究 / 共焦点顕微鏡 / バイオイメージング |
Research Abstract |
【平成25年度の研究内容と結果】 1)観察法の開発:軟性ファイバーの先端にレンズを配置した新たなファイバー共焦点顕微鏡を開発するために、先端に装着する焦点距離60μm 以内のレンズの選定を検討したが適切なレンズを選定することができなかった。理論的には、ガラスの屈折率を1.5とすると、焦点距離 = 1.5rとなる。仮にファイバーの先端に直径0.2ミリのボールレンズを置くと過程すると、f = 1.5 × 0.1 = 0.15 mmとなり、ボールの中心から焦点までの距離は、0.15‐0.1=0.05となり、この場合に初めて先端から対象物までの距離が、生体内を共焦点顕微鏡で観察可能な距離と考えられる60μmより小さくなる。それよりも焦点距離が大きいと、生体内での散乱により適切な焦点を結ばせることができず、適切なレンズが無いため、まず先端レンズなしの硬性ファイバー共焦点顕微鏡でラット海馬CA1領域の虚血再灌流時のヒドロキシラジカル発生の検出を試みた。その結果再灌流時に急激なヒドロキシラジカルが産生されることが、ヒドロキシラジカルの蛍光指示薬であるHPF(ヒドロキシフェニルフルオレセイン)により可視化できた。 2)蛍光ラベル法の開発:自己血から赤血球を分離し、PKH26GL(赤色蛍光:励起波長551nm、蛍光波長567nm)により染色し、in vivoでの観察を行い、脳血流の可視化を可能にした。プラスミドの脳室内投与によるin situ lipofection法による蛍光蛋白発現を可能にし、electroporation 法によるplasmid 導入法では、細胞がfunctionalかどうかの断定に向けて実験を継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した「研究期間内に達成しようとする研究の目標」は:1)脳の任意の部位の共焦点蛍光像を観察する方法を開発し動物での実用性を確認する;2)脳の任意の部位に蛍光蛋白を発現させる方法を開発し動物での実用性を確認することである。そのうち1)に関しては、硬性ファイバー共焦点顕微鏡でラット脳深部の蛍光観察・可視化ができたこと、2)に関しては、プラスミドの脳室内投与によるin situ lipofection法による蛍光蛋白発現を可能にしたことより「おおむね順調に進展している」と自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、脳の任意の部位の共焦点蛍光像を観察する方法と、脳の任意の部位に蛍光蛋白を発現させる方法に関する研究開発を行い、観察法および染色法(蛍光蛋白発現法)のfeasibility を検討する予定である。
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