2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24659656
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
渡辺 英寿 自治医科大学, 医学部, 教授 (50150272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇賀 美奈子 自治医科大学, 医学部, ポスト・ドクター (40624789)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | トランスレーショナルリサーチ / ミニブタ / 標準脳 / ニューロナビゲーション |
Research Abstract |
今年度は、(1)元データとなるMRI画像とCT画像の撮影とデータ処理(2)標準頭蓋骨データの作成のためのデータ収集(3)頭蓋骨特徴点の選定、を実施した。 (1)予備実験により選定した品種(メキシカンへアレス)の頭部MRI及びCT画像を撮影し、画像の合成手順を検討した。予備実験において用いたマーカーの設置方法ではMRI撮影の際にマーカーの位置が動く可能性があることわかり、改めて頭蓋骨に直接設置するマーカーが必要となった。複数の方法でマーカーを作成し検討した結果、最終的に直径4mmの球形のEPA製剤を基本にしたマーカーを作成した。EPA製剤は内服薬であるため、水分と温度によって容易にカプセル部分が溶解する。滅菌処理および皮下の埋設の際の溶解を防ぐためにEPA製剤を樹脂でコーティングしマーカーとした。このマーカーの開発によってMRIとCTの画像合成の処理を効率的に行える基盤が整った。このマーカーは容易に作成可能であるため臨床の検査にも充分応用可能である。 マーカーを皮下に埋設したブタの頭部MRIおよびCT撮影を行い、画像処理を継続して実施している。 (2)標準頭蓋骨の作成に先立ち、より多くのデータを収集するため、他の実験で使用後サクリファイスされたミニブタの頭部からCTデータの取得と、頭蓋骨標本の作製を実施した。頭蓋骨データの取得を実施したのは選定対象としたメキシカンへアレス12頭分および他3品種各複数頭である。ミニブタの頭部形状が品種ごとに異なった特徴を示すことは経験的に知られているが、具体的に報告された例は無い。獲得したデータを基に他品種のデータと比較・解析を進め、品種の特長を示す特徴点を選定する。 (3)前述で得られたデータより頭蓋骨特徴点の候補となる点を選びそれぞれのCT座標上の座標値を計測した。座標の標準化等の処置を行い、解析処理を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では頭蓋骨および脳の標準化に当たってCTデータとMRIデータを合成したデータが重要となる。データの合成は目視で行うことも可能であるが、作業者によるバイアスがかかる可能性がある。多数の個体のデータを処理する必要もあるため自動化は必須であり、基準となるマーカーの作成と設置方法を確定することが重要であった。そのため、マーカーの検討を特に慎重に実施した上で、マーカーを入れたミニブタの頭部データを取得し解析を実施した。 同時進行が可能な作業として、マーカーを必要としないデータの収集と解析も実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.標準脳検証:MRI画像とCT画像から作成した合成頭部データの標準化と検証を引き続き行う。 2.頭蓋骨の特徴点の選定:前年度から引き続き、CTデータと頭蓋骨標本から得られた特徴点データを基に頭蓋骨の基準点を確定する。 3.特徴点の分析:MRIデータを基に脳の特徴点を選定し、MRI画像とCT画像の合成画像からその座標値を計測する。脳の特徴点は人の標準脳作成手法で用いられる点に加えヒト脳との形態の違いを反映した点を抽出する。計測した特徴点について個体差による分布の程度を検証し、特徴点選定の妥当性を検討する。 4.標準脳データの作成と検証:ヒト脳の標準化手法を基に豚の脳への適用方法を検証する。解剖学的構造により原点および基本座標軸を決定し、脳の形状と特徴点を基にアフィン変換を行う。この方法によって複数の脳を整形の上合成し、標準脳を作成する。 5.データ追加:追加データとして4頭分のMRI、CT撮影を実施する。これらについても順次前述の処理を行い、標準脳の精度向上に努める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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