2012 Fiscal Year Annual Research Report
慢性期脳梗塞へのCell-based Cytokine Delivery戦略検証
Project/Area Number |
24659660
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Research Institution | 公益財団法人先端医療振興財団 |
Principal Investigator |
松山 晃文 公益財団法人先端医療振興財団, その他部局等, 研究員 (10423170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 明彦 公益財団法人先端医療振興財団, その他部局等, 研究員 (10359276)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 再生医学 |
Research Abstract |
脂肪組織由来多系統前駆細胞(ADMPC)はサイトカイン分泌を介する血管新生作用など組織修復作用を有するが、慢性期脳梗塞に対する修復効果は明らかでなかった。そこで本研究では新規脂肪組織由来幹細胞であるADMPCを用いた慢性期脳梗塞に対する細胞治療としての”Cell-based Cytokine Delivery”の方法論を確立することを目的とした。 内頸動脈を閉塞し3時間後に再開通する栓子法にてラットF344の梗塞モデルを用いることとした。まず、脳梗塞の完成度の評価手法として、組織学的な検討と行動学的、生理学的な指標をもとに検索、①行動学的にはRotor rod試験にてスコアが4.5以上、②生理学的な指標として深部体温が39度を超える、の2項目を満たす個体を梗塞完成動物として実験に供するべきであることを明らかとした。次いで、F344脳梗塞完成個体に対し、syngenic移植となるF344個体由来ADMPCと従来から脂肪組織由来幹細胞といわれるADSCを経尾静脈的に投与したところ、F344個体由来ADMPCでは行動解析にて改善傾向を認めた。一方、従来法で採取培養されたADSCでは改善効果を認めなかった。サイトカイン分泌を確認したところ、とくにHGFの分泌がADMPCではADSCに比較して高値であり、HGFの分泌採用が作用の一機序であると推定された。今後、ADMPCの有する免疫・炎症制御作用も有効性発揮機序に寄与しているかを検討することとしている。
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