2012 Fiscal Year Annual Research Report
四肢発生の分子メカニズムの解明を目指した戦略的研究
Project/Area Number |
24659662
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹下 祐次郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90622358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 慶宏 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00422296)
篠田 裕介 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80456110)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 肢芽発生 / 外胚葉性頂堤 |
Research Abstract |
四肢発生時のパターニング制御における肢芽での中胚葉由来の間葉組織と外胚葉性頂堤の各々の担う機能およびそれらの相互作用について検索すべく本研究を遂行した。我々はなかでもノックアウトマウスにおいて強く四肢形成が障害されることが知られている転写因子p63遺伝子に着目し、間葉組織および外胚葉性頂堤における機能を解析すべく主にマウスを用いたin vivoの系を中心に本研究を行った。申請書に記載した肢芽間葉細胞特異的にcreを発現するPrx1-creマウスおよび肢芽外胚葉性頂堤特異的にcreを発現するMsx2-creマウスを用いてp63コンディショナルノックアウトマウスを作成し、四肢パターニングの表現型解析を行ったところ、Prx1-creを用いたコンディショナルノックアウトマウスに比して、Msx2-creマウスを用いたコンディショナルノックマウスにおいてより強い表現型が得られた。その詳細なメカニズムについてはおそらく外胚葉性頂堤におけるFgfシグナルを中心とした液性因子がp63の下流で制御・低下していることによるものと推察されたが、詳細な各種マーカー遺伝子の発現解析にても今回の一連の研究においては明らかに低下している因子を見出すことはできなかった。しかしながら過去の研究よりp63は肢芽内で外胚葉性頂堤においても間葉組織においても発現していることが確認されていたが、本実験によりp63の四肢発生における詳細な発現部位ごとの寄与度を明らかにすることができ、その意味で本研究は今後の四肢再生医療の礎となる非常に意義深いものである。
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