2012 Fiscal Year Research-status Report
変形性関節症における軟骨細胞の再プログラミングのmicroRNAによる制御
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24659672
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
酒井 忠博 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (60378198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岩 秀樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (70566976)
濱田 恭 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (90566978)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 再プログラミング / microRNA |
Research Abstract |
miR125bがヒト関節軟骨細胞においてADAMTS-4の発現を制御していることに関して、培養軟骨細胞にmiRの強制発現あるいは発現抑制を行い、ADAMTS-4の mRNA発現および蛋白産生の変化を測定した。更にLuciferase assayにてmiRによるADAMTS-4の発現制御効果について検討した結果、 ADAMTS-4に結合部位を有するmiRの中で、ヒト関節軟骨においてはmiR-125bの発現が最も高かった。miR-125bの発現はOA軟骨細胞にて正常軟骨細胞より低下していた。Luciferase assayにてmiR-125bがADAMTS-4の発現制御に関わっていることを確認し、更にヒト軟骨細胞においてmir-125bがADAMTS-4の発現増加を抑制することを確認できたことを報告した。(2013 Arthritis Research & Therapy) OAにおいては、軟骨基質の破壊と再生が同時に進行していると考えられるが、その過程で軟骨細胞に対してなんらかの再プログラミングを起こそうとする活動があるということを現象としてとらえるために、現在はOA軟骨細胞が多分化能(骨、脂肪)を持つことを確認し、これが骨髄由来幹細胞と表面マーカーの発現パターンがほぼ同じであることを確認した(2013 軟骨代謝学会)。また再プログラミング因子(山中ファクター)であるNanog,Sox2などの発現の変化について検討中である。またこれの変化に対して制御に関連するmiRNAについて調査準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
再プログラミング因子の通常状態での発現自体が幹細胞以外でははっきりとした文献が存在しないため、PCRで確認できたものに関しても慎重に再検討を重ねていく必要があり(PCR産物の確認、様々なプライマーを用いて確認等)、さらにタンパクレベルでの確認に関しても抗体の問題があり、慎重に進めざるを得ない状況であるため、それなりに変化の状態をつかみつつはあるものの、データとしての信頼性を重視するべきであり、進捗状況としては遅れていると言わざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
miRNA以前に再プログラミング遺伝子の確認をすることに対して、しっかりとした手法を確立する必要がある。これが達成できれば、それに対するmiRNAの対応、変化を検討する段階に進むことができる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
OA軟骨細胞の抽出したRNAを用いてライトサイクラーによる定量的RT-PCRを行い、OAの状態評価として軟骨基質であるtypeII collagen, aggrecanや、MMP, ADAMTS4などの基質分解酵素、IL-1βやTNF-αなどの炎症性サイトカインなどの遺伝子発現量の変化を調査するとともに、肥大化を含む内軟骨骨化シグナル、すなわちtype X collagen, MMP-13, Runx2, HIF-2a等に関しても同様に行う。再プログラミングの指標としてOct4, Sox2, Klf4, c-Mycの遺伝子発現の変化を、さらにmiR-200c, miR-302s, miR-369sの発現変化を調査する。軟骨組織破壊の程度とこれら遺伝子の発現パターンを評価して至適条件を見つけることが重要になる。 さらに抽出したRNAを用いmiRNA-arrayを用いてmiRNAの発現パターンを検出し、正常軟骨と、OA軟骨から得られたものの比較を行い、発現に変化が起きているmiRNAをピックアップする。候補となったmiRNAについて、PCR法にて発現量を比較検討する。また培養軟骨細胞をIL-1β等の炎症性サイトカインで刺激を行ったものに関してmiRNAの発現量の変化を調査し、炎症性メディエーターとの関連を明らかにする。正常軟骨とOA軟骨での反応の違いに注目して検討する。 これらの評価により、正常軟骨とOA軟骨での内軟骨骨化シグナルや炎症性メディエーターの変化、OAで再プログラミングが起きているのかどうか、またmiRNAとの関連を明らかにすることを目標とする。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] MicroRNA-125b regulates the expression of aggrecanase-1 (ADAMTS-4) in human osteoarthritic chondrocytes.2013
Author(s)
Matsukawa T, Sakai T, Yonezawa T, Hiraiwa H, Hamada T, Nakashima M, Ono Y, Ishizuka S, Nakahara H, Lotz MK, Asahara H, Ishiguro N.
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Journal Title
Arthritis Res Ther.
Volume: 15(1)
Pages: R28
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Role of S100A12 in the pathogenesis of osteoarthritis.2012
Author(s)
Nakashima M, Sakai T, Hiraiwa H, Hamada T, Omachi T, Ono Y, Inukai N, Ishizuka S, Matsukawa T, Oda T, Takamatsu A, Yamashita S, Ishiguro N.
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Journal Title
Biochem Biophys Res Commun.
Volume: 422(3)
Pages: 508-14
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Drug screening for inhibition of Wnt/b-catenin signaling in osteoarthritis2013
Author(s)
Akira Takamatsu, Bisei Ohkawara, Tadahiro Sakai, Hideki Hiraiwa, Takashi Hamada, Motoshige Nakashima, Shinya Ishizuka, Tomoyuki Oda, Satoshi Yamashita, Kinji Ohno, Naoki Ishiguro
Organizer
2012 Annual Meeting of Orthopaedic Research Society
Place of Presentation
San Antonio(アメリカ)
Year and Date
20130126-20130129
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[Presentation] MicroRNA-125b Regulates the Expression of Aggrecanase-1 (ADAMTS4) in Human Osteoarthritic Chondrocytes2012
Author(s)
Tetsuya Matsukawa, Tadahiro Sakai, Hideki Hiraiwa, Takashi Hamada, Takaaki Omachi, Motoshige Nakashima, Shinya Ishizuka, Tomoyuki Oda, Akira Takamatsu, Satoshi Yamashita, Naoki Ishiguro
Organizer
10th World Congress of the International Cartilage Repair Society 2012
Place of Presentation
モントリオール(カナダ)
Year and Date
20120512-20120515