2012 Fiscal Year Research-status Report
脱細胞化組織と末梢血単核球およびマイクロRNAを用いた関節軟骨再生
Project/Area Number |
24659677
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
越智 光夫 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 教授 (70177244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
味八木 茂 広島大学, 病院(医), 講師 (10392490)
亀井 直輔 広島大学, 病院(医), 病院助教 (70444685)
中佐 智幸 広島大学, 病院(医), 病院助教 (60467769)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | microRNA / 変形性関節性 / エクソソーム / 脱細胞化 / 末梢血単核球 |
Research Abstract |
目的 正常の構造を持つ軟骨組織を作製するため、採取の容易な末梢血から単離した細胞を軟骨細胞に誘導し、他の動物由来の軟骨組織を脱細胞化し、これと組み合わせることで、ex vivoで軟骨組織を作製する。さらに、軟骨分化に促進的に働くmicroRNAも使用することで、より効率よく軟骨組織を作製する。 方法 ヒト末梢血単核球を分離し、シャーレに播種した後2週間培養する。接着した細胞を回収し、軟骨分化誘導培地を用いてペレット培養を行う。3週間後、RNAを抽出し、マイクロアレイにより、軟骨分化に特異的に発現するmicroRNAを導入する。また、ミニブタの大腿骨内側顆より、直径4.5mmの骨軟骨柱を採取し、2%sodium dodecyl sulfate (SDS)を用いて脱細胞化し、組織学的評価(サフラニンO染色)等により、軟骨基質を保ったまま、効率よく脱細胞化できる条件を検討する。 結果 末梢血単核球のペレット培養が困難であり、試行錯誤している。ラット、日本白色家兎の骨軟骨を用いて、SDSによる脱細胞化を行っており、12時間で、ある程度軟骨基質を保ったままで脱細胞化できることがわかった。 考察 末梢血単核球のペレット培養が不可能であれば、ヒアルコン酸ゲルあるいはアテロコラーゲンゲル内に包埋して軟骨分化誘導を行うか、脱細胞化した軟骨組織に末梢血単核球を直接導入して軟骨分化誘導を行う必要があると考えている。この末梢血単核球と脱細胞化軟骨を組み合わせた組織を骨軟骨欠損モデル動物に移植する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
末梢血単核球のペレット培養において、ペレットの形成が困難であり、末梢血単核球の軟骨分化誘導ができていない。末梢血単核球を軟骨分化誘導した後に様々な解析を行う予定であったため、予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
末梢血単核球のペレット培養が困難であるため、ヒアルロン酸ゲルあるいはアテロコラーゲンゲル内に包埋した後、軟骨分化誘導培地により軟骨分化を試みる。または、ラットあるいはウサギの脱細胞した骨軟骨組織に末梢血単核球を導入し、軟骨分化誘導培地により培養し、ヒト細胞による骨軟骨組織を作製し、解析あるいは骨軟骨欠損モデル動物に移植する。このとき、軟骨特異的microRNA(microRNA-140等)も遺伝子導入することも検討している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画の遂行において、技術的問題により試行錯誤を行なっており、繰越金が生じてしまったが、今後の推進方策を含めた翌年度の研究計画に準じ、必要な試薬・動物費に使用していく。
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