2013 Fiscal Year Annual Research Report
脱細胞化組織と末梢血単核球およびマイクロRNAを用いた関節軟骨再生
Project/Area Number |
24659677
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
越智 光夫 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 教授 (70177244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
味八木 茂 広島大学, 大学病院, 講師 (10392490)
亀井 直輔 広島大学, 大学病院, 病院助教 (70444685)
中佐 智幸 広島大学, 大学病院, 病院助教 (60467769)
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Keywords | microRNA / 変形性関節症 / エクソソーム / 脱細胞化 / 末梢血単核球 |
Research Abstract |
目的 正常の構造を持つ軟骨組織を作製するため、採取の容易な末梢血から単離した細胞を軟骨細胞に誘導し、他の動物由来の軟骨組織を脱細胞化し、これと組み合わせることで、ex vivoで軟骨組織を作製する。さらに、軟骨分化に促進的に働くmicroRNA(miRNA)も使用することで、より効率よく骨軟骨組織を作製する。 方法 ヒト末梢血単核球を分離し、シャーレに播種した後2週間培養する。接着した細胞を回収し、軟骨分化誘導培地を用いてペレット培養を行う。3週間後、RNAを抽出し、マイクロアレイにより、軟骨分化に特異的に発現するmiRNAを導入する。また、ラットの膝関節より、直径2.0mmの骨軟骨柱を採取し、2%SDSを用いて脱細胞化し、組織学的評価等により、軟骨基質を保ったまま、効率よく脱細胞化できる条件を検討する。さらに、軟骨細胞シートを脱細胞化し、軟骨基質を有するシート状軟骨組織を作製する。 結果 末梢血単核球のペレット培養が困難であり、軟骨様組織の作製ができなかった。ラット骨軟骨柱を用いて、SDSによる脱細胞化を行った。12時間で、ある程度軟骨基質を保ったままで脱細胞化できることがわかったが、DAPIによる染色、DNA定量にてDNAが完全に除去できていないことがわかった。軟骨細胞シートも2%SDSを用いて脱細胞化を行ったが、完全に核の除去ができていなかった。軟骨細胞シートと、滑膜細胞シートの培養液中に含まれるmiRNAの解析を行ったところ、軟骨細胞シートの培地中には、骨・軟骨分化を促すmiRNAが分泌されていることがわかった。 考察 細胞成分を取り除くためにSDSの暴露が長くなれば、軟骨基質の損失が大きくなる。軟骨細胞からは、骨・軟骨分化を促すmiRNAが分泌されており、これを脱細胞化した骨軟骨組織に添加することで、骨・軟骨分化能を促進する他家骨軟骨柱の作製が可能と考えられる。
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