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2012 Fiscal Year Research-status Report

高度側弯形状に対する健常形状復元と三次元変形および左右非対称性の定量化手法の構築

Research Project

Project/Area Number 24659684
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

桐山 善守  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30383722)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 松本 守雄  慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (40209656)
渡邉 航太  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60317170)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords生体力学 / 整形外科 / 側弯症
Research Abstract

本研究の中核となる側弯変形形状から,本来あるべき左右対称な正常形状への復元手法を実現した.
まず,変形を表現する点として,正中矢状面に存在すべき点と左右対称であるべき点を抽出した.側弯形状が含まれる空間を直方格子で覆い,薄板スプライン法を用いることで直方格子の格子点の移動に伴って側弯変形の特徴点も移動させた.格子の位置は,数値最適化によって求めることとし,正中矢状面にあるべき点は矢状面からの距離のずれを評価した.左右対称となるべき点は,その方向が矢状面と垂直になること,およびその中点と矢状面との距離を評価した.また,過度の変形を抑制するために,格子の変形によって生じるひずみエネルギをGreen-Lagrangeひずみとして算出し評価した.これらの重みつき線形和を,数値最適化の目的関数とした.この結果,Cobb角35度の側弯形状を7度まで減少した対象形状を復元現することができた.
当該年度では,計算機サーバを購入予定であったが,当初予定していたものと同等の性能を有する計算機サーバを半額程度で購入することができた.また,当初予定していた消耗品についても効率的な物品調達を行うことができたため,未使用額が発生した.この未使用額については,翌年度の消耗品購入に充てる予定である.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当該年度では,基本的な解析手法を構築し,それに準じたソフトウェアを作成することを計画した.
解析手法については,特徴点の候補として正中矢状面および左右対称であるべき点という一般化された情報を導くことができ,これを解剖学的特徴に準じて,実際の医用画像から選択できることを確認した.また,左右対称な形状を復元するにあたっても,実際の問題点を明らかにすることができ,この結果,過度の変形を抑制する仕組みを組み込むなど,新たなアイデアを盛り込むことができた.こうした機能を組み込んだソフトウェアを作成し,実際に解析を行ったところ,側弯形状の指標であるCobb角を大幅に減少し,おおむね左右対称と見なすことができる形状を復元できた.こうした結果は,学術会議でも発表できる段階までの進捗をみせており,公にも評価されることになった.現在は,基本的な手法を日本語論文としてまとめ投稿中である.
以上のことから,本研究は当初の予定の通り進んでいると判断した.

Strategy for Future Research Activity

初年度に構築したソフトウェアの問題点を克服し,基本的ツールとしての完成を目指す.次に,このソフトウェアを利用し,疾患部の医用画像を左右対称な形状へと復元し,復元次の左右対称性の評価を元に,疾患時における左右対称性の歪みを定量的に明らかにする.
本研究では,治療用に撮像されたCT画像を用いるため,CT画像のデータ形式であるdicomフォーマット全体を左右対称な形状に復元することも可能である.これにより,任意の断面での画像を取得することも可能となる.こうした側弯症における,左右対称な形状の評価は,疾患の重症度を幾何学的な視点から定量的に評価するだけでなく,手術における治療目標をも定量的に提示することも可能である.
このため当該年度では,同意の得られた側弯患者の医用画像を利用し,手法の問題を明らかにするのみならず,疾患自身の有する特徴をも明らかにする.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

基本的手法は完成しているため,生体力学および整形外科学領域における国際会議にて結果を公開する.このため,本研究の一部は国際会議への参加費として利用する.これと同時に,英文および邦文投稿を進め,本研究の成果を積極的に公開していく.
また,疾患データは極めて機密性の高い個人情報であるため,通常のデータ保存とは分けて保存し,セキュリティが高く暗号化の可能なデータサーバに保存する必要があり,この購入費に本研究の一部を利用する.
また,現在は基礎研究として左右対称性の復元を行っているが,臨床診断ツールとしてもちいるためには,汎用的な計算機においてより高速に結果が得られる必要がある.このため,現在のソフトウェアの構成を見直し,本研究費を利用してより安価で汎用性の高いツールを試用し評価も行う予定である.
平成24年度は,計算機サーバを購入予定であったが,当初予定していたものと同等の性能を有する計算機サーバを半額程度で購入することができた.また,当初予定していた消耗品についても効率的な物品調達を行うことができたため,未使用額が発生した.平成25年度においては,この未使用額を翌年度の消耗品購入に充てる予定である.また,当該分野における権威的国際学会に採択されたため,未使用額の一部を旅費に利用する.

  • Research Products

    (2 results)

All 2013 2012

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] Development of quantification of spatial strain distribution for scoliotic shape using a thin - plate spline method2013

    • Author(s)
      Yoshimori Kiriyama, Kota Watanabe, Morio Matsumoto, Yoshiaki Toyama, Takeo Nagura
    • Organizer
      37th annual meeting of the American Society of Biomechanics
    • Place of Presentation
      Omaha, Nebraska, USA
    • Year and Date
      20130904-20130907
  • [Presentation] 薄板スプライン法を用いた 側弯形状の空間的変形分布の定量化手法の開発2012

    • Author(s)
      桐山善守,渡辺航太,松本守雄,戸山芳昭,名倉武雄
    • Organizer
      日本臨床バイオメカニクス学会
    • Place of Presentation
      幕張メッセ(千葉)
    • Year and Date
      20121109-20121110

URL: 

Published: 2014-07-24  

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