2013 Fiscal Year Research-status Report
脳由来神経栄養因子を標的とした癌性疼痛の遺伝子治療
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24659706
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
中塚 秀輝 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70263580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前島 亨一郎 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20549852)
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Keywords | 骨転移癌性疼痛モデル / 後根神経節 / BDNF / NGF / DNAデコイ |
Research Abstract |
骨転移癌は激しい痛みを引き起こすが、充分な疼痛治療が行われていない。我々はラットの脛骨近位端にラットの乳癌細胞を移植し、癌細胞の増殖に伴う疼痛モデルを作成し、痛みに伴うL3の後根神経節でのBDNF mRNAのvariantの発現を追跡した。その結果エクソン1-9の有意な増加を観察した。また脛骨骨髄ではがん細胞が産生するNGFが増加し、後根神経節のBDNFを増加させ痛みを増強していることが判明した。さらにDNAデコイを用いてエクソン1-9を抑制すると疼痛軽減が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
癌性疼痛に伴う後根神経節でのBDNF発現の態様を明らかにした。 移植場所の脛骨骨髄では乳がん細胞が産生するNGFが増加した。 後根神経節でのBDNF増加は乳がん細胞が産生するNGFによることが分かった。 脛骨の支配領域であるL3DRGでのTrkA(NGF受容体)増加は、NGF-BDNFカスケードが痛みを増強していることを示唆している。
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Strategy for Future Research Activity |
骨転移癌性疼痛の治療は3つの方向が示唆される。一つは後根神経節レベルでBDNFの増加を抑制すること。もう一つはがん細胞の転移場所でのBDNFあるいはNGFの産生を抑えること。3つめは後根神経節で合成され脊髄後角のシナプスで放出されたBDNFをトラップすることが重要となる。 次年度使用額が生じた理由と使用計画: 当初予定した東北大学・市川博之教授との共同研究が耐震補強工事のため実現しなかったので今年度に実行する予定にしている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究課題を遂行するのに必要な病理組織作製の手技を会得するため、東北大学口腔機能形態学・市川博之教授の研究室に行く予定にしていたが、東日本大震災で傷んだ大学の耐震補強工事が平成26年3月まで続くことになり、今年度中に遂行することが困難になった。よって平成26年4月以降に予定を変更することにした。 免疫染色に必要な一次抗体、二次抗体を購入する。また、それを用いて、東北大学で病理組織作成の手技の手ほどきを受けるため、仙台に行くための出張旅費に充てる。
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Research Products
(10 results)