2013 Fiscal Year Annual Research Report
ビーシージーミコール酸を用いた新規癌治療製剤の開発
Project/Area Number |
24659710
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宮崎 淳 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10550246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 博之 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20324642)
高岡 栄一郎 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50625340)
木村 友和 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (10633191)
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Keywords | Mycobacterium bovis BCG / ミコール酸 / リポソーム / オクタアルギニン |
Research Abstract |
Mycobacteriuma bovis bacillus Calmette-Guerin (BCG)の膀胱内投与は、既存の癌免疫療法の中でもっとも有効性が確立した治療法であるが、全身投与ができないため適応は筋層非浸潤性膀胱癌に対する膀胱内注入療法のみに限られている。一方で、最近では、結核菌細胞莢膜のミコール酸がCD1抗原として強力な細胞性免疫誘導を示すことが明らかとなってきた。しかし、ミコール酸単独では、疎水性であるため、投与しても効果を得ることができない。そこで本研究ではBCGミコール酸(MA)の高い細胞性免疫賦活作用に着目し、これをオクタアルギニンリポソームに搭載することによって全身投与可能な新規癌治療製剤の開発を目指した。MAリポソーム製剤はプロトタイプが完成し、マウス皮下接種モデルでの抗腫瘍効果を検討した。皮下接種モデルでの抗腫瘍効果の検討では、コントロールマウスに比べて、著明な腫瘍径の縮小を認めた。病理学的には壊死組織を中心に周囲にリンパ球と思われる細胞を多数認め、局所に免疫反応を引き起こしている可能性が示唆された。 今後の課題として、工業化を目指すには、ロット間での製剤のバラツキをなくすことが必要である。そのためには、リポソームの粒子径を一定にする必要がある。我々のリポソーム製剤は、高圧乳化法で作成しているが、その際の問題点として、どのくらいの圧力をかけるか、その際の装填温度を何度にするかの検討を行う必要がある。 現在MAリポソーム製剤の皮下モデルでの抗腫瘍効果の再検をしているとともに、正所性モデルでの膀胱内注入による抗腫瘍効果判定を検討している。
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Research Products
(1 results)