2012 Fiscal Year Research-status Report
生殖臓器としての子宮の伸展性の定量評価と不妊、周産期医療への展開
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24659721
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
佐藤 直樹 秋田大学, 医学部, 講師 (40447199)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | コンプライアンス定数 / 子宮奇形の形成術 / 子宮筋腫摘出術 / 流早産予防 |
Research Abstract |
本研究の目的は内腔で胎児を育む機能を有する子宮という管腔臓器の膨らむ能力、すなわち子宮弾性コンプライアンス定数を客観的に評価しうるシステムの挑戦である。 子宮弾性コンプライアンス定数は、子宮奇形の形成術や子宮筋腫摘出術などの適応の判断などの生殖医学領域、また、流早産予防などの周産期医学の領域に生殖臓器としての子宮機能の評価の新しいパラメーターとなることが期待される。 最初に婦人科手術時摘出子宮を展開して、子宮壁局所の弾性コンプライアンス定数を測定する。 さらに子宮壁を占拠する病変(子宮筋腫、子宮腺筋症)が壁局所の伸展性に与える影響を検討し、弾性コンプライアンス定数算出の理論式を作成する。 次に子宮全体のコンプライアンス定数を測定しうる、圧トランスデューサー付きの測定系を開発する。経腟超音波3D診断装置による加圧時のバルーンの形態を解析する。 以上より、①子宮全体 ②子宮局所 の弾性コンプライアンス定数の把握が可能になる。 それらを、腹腔鏡施術時に施行し、その後の妊孕能を追跡する、子宮筋腫あるいは腺筋症核出術前後に計測し、その後の妊孕性を追跡、解析し、子宮コンプライアンス定数の臨床的な意義を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
婦人科手術時に摘出した子宮(臨床検体)を用いて子宮壁の弾性コンプライアンス定数測定を繰り返している。弾性コンプライアンス定数算出の理論式を導くには症例の蓄積が肝要であるが、手術理由や子宮病変が多様且つ有限であるために、測定や患者同意の取得に困難を伴う場合がある。しかしながら、測定の技術向上とデータの蓄積による傾向把握を得ており、研究効率は改善をみている。現在は、経腟超音波診断装置を用いた立体的な弾性評価が可能となるよう、理論式とコンプライアンス定数の補正作業を併行している。目的とした臨床応用に向けては未だ準備段階にあるが、上記の取り組みは機能診断システムの構築として必須の基盤研究と認識している。
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Strategy for Future Research Activity |
測定データが蓄積し信頼に値する理論式・コンプライアンス定数が導かれた暁には、治療前後での弾性機能評価を行い、機能変化と臨床的な予後との相関を検討してゆく。 超音波診断装置の特性を活かし、低侵襲・低コストでありながらも治療適応や診断を導き得る機能評価パラメーターとして、臨床応用を目指してゆく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
基盤データの蓄積を継続中であるが、現時点で充足を得ていない。 貴重な研究資金であると認識しており、理論式・定数が導かれ臨床応用に目処が立った段階で、機器・消耗品の一括購入を期している。 上記の推進方策に従い、臨床応用を目指した取り組みを継続してゆく。 情報収集の機会には積極的に参画し、研究の効率化と精度管理に努めてゆく。
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Research Products
(1 results)