2012 Fiscal Year Research-status Report
異所性妊娠モデル動物を用いた新規分子標的治療法の開発
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24659722
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
河村 和弘 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (10344756)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 異所性妊娠 / モデル動物 / 分子標的治療 |
Research Abstract |
異所性妊娠は子宮外で絨毛細胞が増殖するこ とで発症する。その薬物療法としてメトトレキセートが用いられているが、進行例には効果が低く、様々 な副作用を生じる。本研究は、絨毛細胞の発育に重要な細胞シグナルを標的とし、我々が確立したモデル 動物を用いて異所性妊娠の新たな薬物療法の開発を行うことが目的である。本年度の研究計画では1.絨毛細胞の発育に重要な細胞シグナル(リガンド/受容体)の候補の網羅的同定、2.絨毛組織におけるリガンド/受容体の局在の解明。3.候補因子による絨毛発育制御機構の解明とシグナル抑制方法の探索を予定していた。絨毛細胞発育に重要なリガンド/受容体は、他の組織・臓器に比べ絨毛組織での発現が高いものが候補 となると考え、DNA マイクロアレイによる比較解析を行うことで候補因子を探索した。データ解析には申請者らが開発し、インターネット上で公開しているツー ルを用いて(http://bdi.stanford.edu/EDI/init/init_A.asp)、絨毛細胞発育に重要 なリガンド/受容体の候補を同定した。次に、異所性絨毛組織の細胞増殖に関与するcytotrophoblastとextravillous trophoblastに候補の受容体が局在しているかを確認した。これらの候補因子に対して申請者が確立した絨毛組織培養を用いた一次ス クリーニングを行い、さらに候補を絞り込んだ。最終候補の一つとしてbrain-derived neurotrophic factor (BDNF)とその受容体であるTrkBを同定した。BDNFはsyncytiotrophoblastおよびextravillous trophoblastで産生され、TrkBはcytotrophoblastとextravillous trophoblastに発現している。現在この機能解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度に予定していた研究計画のうち、1.絨毛細胞の発育に重要な細胞シグナル(リガンド/受容体)の候補の網羅的同定は既に終了しており、絨毛組織におけるリガンド/受容体の局在を手がかりに候補となる因子を絞り込むことができた。絨毛組織培養を用いた一次ス クリーニングによりさらに候補因子を絞り込み、現在は候補因子による絨毛発育制御機構の解明とシグナル抑制方法の探索を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従い、本年度は絨毛組織における受容体の局在を手がかりに更に絞り込んだ候補に対して絨毛発育制御機構を解明し、 その細胞シグナルを抑制する方法を探索する。また、異所性妊娠モデル動物を用いて、生 体内での最終候補の細胞シグナル抑制効果と副作用 発生の有無を評価する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費使用の大部分を占める候補因子による絨毛発育制御機構の解明とシグナル抑制方法の探索がやや遅れているため、本年度の研究費を次年度に繰り越し、次年度の予算と合算して使用する予定である。
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