2012 Fiscal Year Research-status Report
カニクイザルを用いた全卵巣組織の凍結融解技術の確立
Project/Area Number |
24659729
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
竹林 明枝 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (00402735)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 卵巣凍結 |
Research Abstract |
全身麻酔下に5頭のカニクイザルより両側卵巣を摘出した。これをCAS(Cell Alive System)にて凍結した。CASは磁場の中で細胞を凍結させるシステムで、水分子を振動させながら凍結させるため、通常の凍結の際にみられる氷晶の形成が極めて小さい。よって凍結による細胞膜の破壊を最小限に抑えることが可能である。現在、CASにより凍結した卵巣を液体窒素中で保存している。 融解条件の検討のために、まずマウスの卵巣を用いて、融解を行った。実験方法を確立するために5週齢のマウスの卵巣を用いて実験を行うこととした。24匹のマウスから両側の卵巣を摘出した。卵巣を凍結する凍結群とコントロールとして凍結しない非凍結群に分けた。さらに凍結群は全卵巣をガラス化法で凍結した後、凍結後融解の際に4℃で融解する緩慢融解群と37℃で融解する急速融解群に分けた。さらに、凍結群・非凍結群とも融解直後と3時間培養した後にそれぞれ卵巣の固定を行い、以降の実験に使用した。検体は、ホルマリン固定、パラフィン包埋し、細胞の増殖マーカーであるKi67を免疫組織染色した。評価は、Teresa Woodruffらの報告(Fertil Steril 2010)に従い、光学顕微鏡下に400倍率で観察し、Ki67陽性の顆粒膜細胞を含む、形態学的に正常な原始卵胞・一次卵胞の割合を算出し、フィッシャー検定を行った。その結果、融解直後は緩慢融解群の方が急速融解群に比べてKi67陽性率は有意に高かった。これにより4℃緩慢融解の方が細胞へのダメージが少ない可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カニクイザルより卵巣を摘出し、凍結保存した状況にあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
融解条件の詳細な検討、カニクイザルへ卵巣の移植を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
カニクイザルの購入、その他、必要な物品費に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)