2012 Fiscal Year Research-status Report
婦人科悪性腫瘍におけるLgr4機能解析と抗体医薬品開発に向けた研究
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24659732
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
小泉 雅江 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60583028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
那波 明宏 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90242859)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | Lgr4 |
Research Abstract |
LGR4 (Leucune-rich repeat containing G-protein coupled receptor 4) は7回膜貫通GPCR (G-protein coupled receptor)と共通の構造を持つ膜受容体である。LGR4 はFSHR (Follicle-stimulating hormone receptor) や LHR (Luteinizing hormone receptor)などと高い相同性を示す。我々はLGR4が眼瞼、毛包、乳腺、腎臓、腸管上皮などで重要な役割を担っていることを報告してきた。また、近年の報告でLGR4 がR-spondin1をリガンドとして、Wnt/β-catenin 経路を仲介することを明らかとしてきた。Wnt/β-catenin経路は細胞増殖、がんとの関連が大きく、その共受容体であるLgr4について解析することで、ヒト婦人科癌の病態解明、治療法開発に寄与すると考え研究を進めたところ、Lgr4ノックアウト雌生殖器に発生異常を認め、これについて解析中である。これまでR-spondin1、Wnt4、β-catenin のノックアウトマウスはほぼ共通の表現型、すなわち雌生殖器の異常を認めることが報告されている。われわれはLgr4遺伝子の膜貫通ドメインをコードする領域をホモで欠損させたノックアウトマウスを作成したところ、その雌生殖器において雄化を認めた。具体的には、本変異雌マウスで精管と精巣上体様構造物を認めた。また、RT-PCRや免疫染色を行った結果、Lgr4ノックアウトマウスの卵巣において、男性ホルモン合成酵素の発現を認め、異所性男性ホルモンの産生が示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Lgr4ノックアウト雌生殖器の表現型を発見した。 異常の原因が異所性男性ホルモン産生であることが示唆される結果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
Lgr4ノックアウトマウス雌生殖器の異常が異所性男性ホルモン産生によることを照明するため、胎児期の性腺テストステロン値を液体クロマトグラフィーで測定する。性ホルモンは性腺の体細胞で産生されるが、雄・雌の体細胞分化のメカニズムを解明するため、in vitroの実験系を確立する。生殖器における Lgr4とWnt/β-catenin経路の関係を明らかにするため、Lgr4ノックアウトマウス卵巣におけるマイクロアレイ解析を行い、Wnt/β-catenin経路の因子との関連や、Lgr4の下流にある遺伝子について検索する。 Wnt/β-catenin経路のノックアウトマウスにおいて、生殖細胞の減少という表現型を認めるという報告があり、Lgr4ノックアウトマウス性腺についても生殖細胞の減少を認めるか、生殖細胞のマーカーを用い解析する。 これらから、性分化異常疾患や生殖医療の病態解析や新治療法へ寄与する研究となるようにしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
液体クロマトグラフィーによる男性ホルモン測定:521,178円
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Research Products
(6 results)