2013 Fiscal Year Annual Research Report
血液凝固因子に対する自己抗体が原因となる不育症の研究
Project/Area Number |
24659740
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
市原 慶和 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 教授 (80176304)
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Keywords | 不育症 / 自己抗体 / 血液凝固因子 / 検出法 |
Research Abstract |
不育症の原因の1つとして、血液凝固関連因子に対する自己抗体の存在が指摘されている。本研究では血液凝固関連因子に対する自己抗体を簡便に検出するシステムの構築を目指した。まず、血液凝固関連因子の例として、プレカリクレイン(PK)のC末端にHalo-Tag配列を付加してPK-Halo-Tag融合タンパク質発現ベクターを作成した。PKはN末端のシグナルペプチドが分泌に必須である。そこでN末端のシグナルペプチド部分のみ、アップルドメイン1まで、アップルドメイン2まで、アップルドメイン3まで、アップルドメイン4まで、全長(Full)を含む6種類のHalo-Tag融合タンパク質発現ベクターを作成した。それぞれのベクターを培養細胞Hek293に導入後、その培養液をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけ、抗PK抗体を用いたウエスタンブロッティングを行った。その結果、培養液中にFull-PK-Halo-Tag融合タンパク質が検出できた。次いで、抗PK抗体の検出系の可能性について検討した。まず、ニュートラルアビジンをコートしたプレートにビオチン標識Halo-Tagリガンドを固相化した。これに培養細胞で発現したFull-PK-Halo-Tag融合タンパク質を含む培養液を添加した。プレートに抗ヒトPKヒツジ抗体を添加後、HRP標識抗ヒツジIgGを反応させた。TMB発色によって自己抗体検出システムが機能することが示された。そこでPK以外の血液凝固関連因子のcDNAを単離し、Halo-Tag融合タンパク質発現ベクターに挿入した。これらをHek293で発現させたところ、FXIIIB、FVは培養液中に発現タンパク質が検出されなかった。血液凝固関連因子に対する自己抗体の網羅的検出システムを開発するためには、個々の血液凝固関連因子の発現について改良する必要があると考えられた。
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Research Products
(5 results)