2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24659743
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 俊光 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (80133958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 猛史 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40241608)
野村 和弘 東北大学, 大学病院, 助教 (60466563)
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Keywords | 人工内耳 / 耳毒性 / 曇り止め / ABR / 中耳炎 |
Research Abstract |
人工内耳埋め込みにおいては適応が拡大され、聾耳だけでなく聴力がある程度残存している耳にも行われるようになり、従来以上に内耳操作の慎重さ(ソフト・サージェリー)が求められ、同時に蝸牛操作の限界に対する知識が必要とされる。近年、低侵襲に行われる内視鏡下中耳手術が広く普及し様々な耳科手術に応用されている。人工内耳挿入術においても、低侵襲な操作や良好な視野を必要とすることも多く、内視鏡の利用が必要になる場合も想定される。内視鏡使用においては曇り止めが必要であるが、曇り止め液による中耳、内耳への影響は検討されていない。内視鏡下手術に広く使われる代表的な曇り止め液の一つであるであるUltrastopによる中耳、内耳への影響を調べた。ハートレーモルモットを用い、 陰性対照群(生理食塩水)、陽性対照群(ゲンタマイシン)、実験群(Ultrastop)の三郡に分け、ABRを測定後、それぞれの液体を鼓室内に投与した。2週間後にABRを測定し聴力を評価した後、側頭骨を採取し、中耳侵襲の程度を評価しスコア化した。生理食塩水を投与した群は、ABR閾値の変化を示さなかった。曇り止め投与群およびゲンタマイシン投与群は、ABR閾値の有意な上昇を示した。組織学的検討では曇り止め投与群では他の二郡にくらべて明らかな中耳への障害がみられた。モルモットにおいて曇り止め液(Ultrastop)の中耳への局所投与は、中耳に深刻な炎症を引き起こし聴覚障害を引き起こした。曇り止め液が中耳に達する可能性がある場合には細心の注意を払わなければならないということが示唆された。
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Research Products
(2 results)