2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24659747
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲岡 孝敏 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (10623548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平海 晴一 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10374167)
中川 隆之 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50335270)
坂本 達則 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60425626)
山本 典生 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70378644)
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Keywords | 内耳再生 / ナノテクノロジー / めまい / 有毛細胞 |
Research Abstract |
本研究では、振動刺激を電気刺激に変換する圧電素子を用い、前庭感覚上皮における有毛細胞モデルを作製し、形態学的に耳石器、半規管膨大部を模した有毛細胞配列と指向性を再現した人工前庭感覚上皮の機能モデル、さらには埋め込み可能なデバイスを作製することを目的とした。平成25年度は、圧電素子膜デバイスが反応する周波数帯域を低下させることに焦点を絞り、研究開発を行った。聴覚では、数kHzの反応が求められ、前庭感覚器では一桁から二桁Hzで反応することが求められる。このためには、圧電素子膜の剛性を低下させる必要があると考察し、圧電素子膜のシリコンフレームへの固定方法を改訂し、反応する周波数を10%まで減じることができたが、目標とする周波数帯域まで減弱することはできなかった。次に、圧電素子膜の形状を長辺方向に拡大し、この影響を解析した。圧電素子膜の長辺と短辺の比率を増加させることにより、短辺部分の1辺だけ固定する形状にすることにより、低周波数に対する反応性が向上したが、定常時におけるノイズが増大し、センサーとしての機能が低下した。また、試作したデバイスのモルモット生体内耳への埋め込み実験を行い、生体内耳での線維化を中心とした反応を調べた。結果、手術による骨増生は生じるが、膜迷路内に明らかな線維化は生じないことが確認された。この結果はシリコンフレームと圧電素子膜からなるデバイスの生体内耳への埋め込みが強い炎症反応を惹起しないことを示唆するものといえる。音響刺激とは異なり低周波数帯域を検知しなければならない前庭刺激では、単純な圧電素子膜とシリコンフレームからなる構造では詳細な検出能力を得ることが困難であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)