2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24659752
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小川 郁 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00169179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神崎 晶 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50286556)
藤岡 正人 慶應義塾大学, 医学部, 共同研究員 (70398626)
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Keywords | 内耳 / 鼓室内投与 / 徐放作用 / ドラッグデリバリー |
Research Abstract |
過去にヒアルロン酸を用いて徐放効果があることが報告されている(Otol neurotol)が詳細なことがわかっていない。また、粘性の差異によって差があるかどうか、治療効果についても検討されていないため、ヒアルロン酸を用いて内耳薬物への徐放効果について下記を検討した。 1)ヒアルロン酸の粘性によって徐放効果が高まるかどうか? IVISシステムを用いたリアルイメージング法を用いた。GFAP発現細胞にルシフェラーゼが発現するマウス(GFAP lucマウス)顕微鏡下に左鼓膜にヒアルロン酸とルシフェリンを投与した。ヒアルロン酸の粘性を変えて内耳の薬物動態を調べた。ヒアルロン酸の粘度によらず、内耳の薬物動態にはばらつきが見られた。内耳への浸透しやすさには差がなかった。粘度が高いヒアルロン酸の方が中耳に滞留しやすく内耳への浸透が強いと予想したが、その通りではなかった。一つには、粘度が高まることで投与しにくくなる可能性が考えられた。つまり投与に関するテクニカルな問題が背景にある。 2)ステロイドとヒアルロン酸の合剤で音響外傷の治療が行えるかどうか? モルモット(オス)に音響118dB 2時間かけて曝露させた。音響外傷後に難聴になっていることを確認後、デキサメサゾンとヒアルロン酸の混合薬(以下混合薬と略)あるいはステロイドのみ(薬液のみ)をそれぞれ顕微鏡下で左耳鼓膜に投与した。混合薬ないし薬液のみ両群いずれも治療前後で聴性脳幹反応(ABR)を両耳測定したが、治療効果を認めず、両群間に有意差を認めなかった。以上からヒアルロン酸による徐放効果、治療効果は認められないことがわかった。
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Research Products
(3 results)