2014 Fiscal Year Annual Research Report
エピジェネティクス解析に基づいた自己結膜組織幹細胞移植の開発
Project/Area Number |
24659757
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
三村 達哉 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (70463867)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、結膜細胞の老化に関わる変化を見ることを目的としている。結膜上皮細胞よりスフェアー法という方法により、組織幹細胞/前駆細胞を採取することに成功した。採取した細胞を免疫染色ならびにRT-PCRで遺伝子の発現を調べると、通常の細胞と比較して、スフェアーを形成する細胞はBrDUの取り込みが高く、また上皮では上皮未分化マーカーであるp63が発現しており、神経未分化マーカーであるNestinが強く発現していた。生後1週のマウスと生後10か月の結膜細胞のメチル化を調べた所、高齢マウスの結膜細胞はメチル化率が高く、DNAの加齢に伴う変化以外に、DNAのメチル化によるDNAの構造変化が生じうる可能性が示唆された。 ドナーヒト眼球ならびに白色家兎眼球より角膜上皮と結膜上皮を採取し、培養することにより培養細胞を保存凍結した。角膜上皮と結膜上皮ではムチンの産生など、その働きがことなるが、両者とも通常の上皮細胞用培養液で培養ならびに凍結が可能であることを証明した。更に組織幹細胞あるいは通常の培養細胞を用いて結膜上皮細胞をair lifting法により羊膜上で培養し、重層化した細胞シートを作成した。この再生結膜上皮シートを、角膜上皮除去後に混濁した白色家兎の角膜に移植する実験を行った。混濁した角膜上皮を摘出して、その上から結膜上皮再生シートを広げて10-0ナイロン糸にて縫合し移植を行った。術後1か月の間、角膜は透明性を維持し、上皮欠損は認められなかった。これらの結果により移植した結膜細胞が移植後の細胞供給源となり、角膜細胞に依存しない、角膜上皮再生あるいは結膜上皮再生に利用可能であることが示唆された。
|
Research Products
(1 results)