2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24659758
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
稲谷 大 福井大学, 医学部, 教授 (40335245)
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Keywords | トランスレーショナルリサーチ |
Research Abstract |
線維柱帯切除術は緑内障手術のゴールドスタンダードとして確立されているが、この手術の問題点として、過去 の眼科手術による結膜瘢痕の存在によってその手術成績が大きく損なわれる。そこで、結膜瘢痕を取り除き、代わりに再生した上皮組織に交換することによって、眼表面が再生され、手術成績を改善させる研究をおこなった。 まず、臨床試験として、手術成績がわずかな結膜瘢痕によっても、手術成績が損なわれるのかを明らかにするために、水晶体再建術をおこなった緑内障症例と、手術歴の既往のない緑内障症例との線維柱帯切除術の手術成績を前向きに比較し、水晶体再建術をおこなった症例のほうが統計学的有意に成績が悪いことを明らかにし、その結果を発表した(JAMA Ophthalmol 2014)。また、結膜の再生実験においては、ウサギをもちいて、結膜を剥離した後、強膜弁を作成し、トラベクレクトミーと同様にバイパスを作成したのちに、再生した結膜上皮を移植して、経過観察をおこなった。術後4週間にわたって、眼圧が一ケタ台 mmHgで安定して下降し、ブレブも維持されていた。ブレブ壁の上皮細胞は、移植した細胞由来であることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床試験において、水晶体再建術の既往歴のある症例とない症例のトラベクレクトミー前向き試験は終了し、結膜切開がトラベクレクトミーに与える影響に関する前向き臨床試験も着実に症例が登録され、経過観察がおこなわれているので、おおむね順調に進展しているが、動物実験のほうは、組織学的な解析がまだ終了していない。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験の組織学的な解析をさらに進め、ヒトでの応用試験に進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物実験の一部を次年度におこなう予定が生じたため。 動物実験を次年度におこなう費用として使用する。
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Research Products
(7 results)