2013 Fiscal Year Annual Research Report
網膜梗塞部位におけるミュラー細胞を利用した網膜神経の再生研究
Project/Area Number |
24659759
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
村田 敏規 信州大学, 医学部, 教授 (50253406)
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Keywords | 網膜神経線維 / 神経線維前駆細胞 / ミュラー細胞 / 糖尿病黄斑浮腫 |
Research Abstract |
本研究の具体的な目的は、糖尿病網膜症において、失われた網膜神経線維を再構築することである。糖尿病網膜症は現在でも勤労世代の失明原因の首位を占める。患者は網膜血管の閉塞とこれに伴う網膜神経細胞の壊死により視力を失う。現在網膜血管の再生の研究もすすめられているが、これと同時に網膜神経細胞の再生しなければ、失明した患者の視力の回復が得られない。本研究では網膜の神経前駆細胞と考えられているミュラー細胞を使い、網膜の神経細胞とそのネットワークを再生させる可能性を模索する。 糖尿病網膜症における網膜浮腫は神経線維を破壊する。この浮腫により生じたスペースは、浮腫が引けば破壊された神経線維と併せて、網膜のグリア細胞、すなわちミュラー細胞が埋めていく。網膜内で過剰にvascular endothelial growth factor (VEGF)を産生するkimbaマウスで、網膜内に生じる浮腫を蛍光眼底造影、OCTで観察することに成功している。いずれも、人間で用いる機械にマウス用のアッタチメントを作成して装着することで可能となった。 このマウスでは、破壊された神経線維を埋めるようにミュラー細胞が突起を伸ばすことを、grial fibrillary acidic protein (GFAP)の免疫染色で確認できた。今後は、NCMA neural cell adhesion molecule、受容型チロシンキナーゼErbB4とそのリガンドであるneuregulin、ニューロン反発性因子Slitと受容体蛋白Robo、神経栄養因子GDNF(glial cell line-derived neurotrophic factor)などの物質で、これらのミュラー細胞が神経線維の形質を得る物質がないか、スクリーニング的に硝子体に投与していく予定である。
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Research Products
(2 results)