2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24659763
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
池田 康博 九州大学, 大学病院, 助教 (20380389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 祐介 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (50634995)
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Keywords | 網膜色素変性 / 慢性炎症 / 抗酸化剤 / C反応性蛋白 |
Research Abstract |
1.網膜色素変性モデル動物における慢性炎症の関与・・・rd10マウスにおける炎症性サイトカインならびにケモカインの経時的発現変化については、既に検証を終了した(Yoshida N, Ikeda Y, et al. Ophthalmology 2013)。視細胞がアポトーシスを生じる前にIL-1βやMCP-1などの炎症性サイトカインやケモカインの発現が網膜で上昇しており、視細胞死が生じている時期に活性化したマイクログリアが網膜内(特に外顆粒層)認められた。また、これらの炎症反応は抗酸化剤であるN-アセチルシステインによって抑制されたことから、網膜内では酸化ストレスに起因する炎症反応が生じており、視細胞のアポトーシスを誘導していると結論付けた。さらに、RCSラットにおける検討でもほぼ同様の結果が得られている。 2.網膜色素変性モデル動物を用いた抗炎症療法による治療効果の検討・・・RCSラットを用いて、ステロイド局所投与(生後3週齢に硝子体内投与)ならびにジクロフェナック局所投与(生後3週齢から点眼投与)による視細胞死への影響について検討したが、現時点で明らかな保護効果は認められていない。現在は、マイクログリアに特異的な炎症反応抑制を試みている。 3.網膜色素変性患者より採取した前房水中の炎症性サイトカイン、ケモカイン濃度の測定・・・学内倫理委員会における臨床研究実施計画の承認を受け、患者より前房水を採取した。各因子の濃度は、Cytometric Bead Array法を用いて測定した。既報と同様に、IL-8やMCP-1の濃度が対照患者と比較して有意に上昇していた。 4.網膜色素変性患者より採取した血清中のC反応性蛋白の定量・・・学内倫理委員会における臨床研究実施計画の承認を受けた。サンプル回収中であり、解析は現時点で完了していない。
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Research Products
(2 results)