2012 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍細胞を含む切除組織からの脱細胞化および再移植方法の検討
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24659782
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
森本 尚樹 関西医科大学, 医学部, 講師 (40378641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 勝也 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90273458)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 再生医学 / 細胞・組織 / 臨床 |
Research Abstract |
巨大色素母斑は、悪性黒色腫の発生が8%程度にあるとされ、外観上の問題と共に生命予後に関しても問題がある疾患である。本研究では、切除した色素母斑組織を完全に脱細胞化し、脱細胞化組織を自家真皮として再度使用する方法、つまり、必要な細胞は培養しこの脱細胞化自家真皮に播種した上で、切除した部位に戻し移植する、“体外腫瘍切除再生療法”を開発することを目的としている。本年度は、ヒト検体として、正常ヒト皮膚と母斑組織を用いて無細胞化の検討を行なった。具体的には、1、PBS(Phosphate Buffered Saline、コントロール群) 2、高張力食塩水 3、0.1%SDS 水溶液 4、0.05%トリプシン 5、超高圧法(980MPa で10 分間加圧)の各方法で無細胞化を行なった。無細胞化処理の後、検体を14 日間、4℃PBS 中で振盪し細胞遺残物の洗浄を行なった。評価はヘマトシキリンエオジン染色切片による細胞核の残存確認、組織内DNA残留量を比較した。また、組織中の細胞活性をWST8アッセイを用いて計測、比較した。細胞核が最も完全に除去されていたのは、SDSであった。次に超高圧法であり、それ以外の方法では14日間の洗浄を行なっても核は残存していた。細胞活性はいずれの方法でも洗浄を14日間行なうと見られなくなっていた。母斑組織細胞を用いて同様の検討も行なったが、正常皮膚と同じ傾向が見られた。 免疫染色で表皮基底膜や真皮内血管の残存を確認したが、いずれの方法でもこれらは保たれていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
正常ヒト皮膚と母斑組織共に脱細胞化できることが確認できた。細胞核を完全に除去することはSDS以外の方法ではできていないが、細胞の活性がない、つまり細胞死を今回の処理によって行なうことができることは確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、SDS、トリプシンなどの濃度、処理時間や高圧の条件、洗浄時間、などの詳細を検討する必要がある。脱細胞化された組織に損傷があるかどうかの評価も行なう予定である。また、実際に臨床使用するときのための洗浄条件の検討、培養細胞の導入などを行なう予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、SDS、トリプシンなどの濃度、処理時間や高圧の条件、洗浄時間、などの詳細を検討する必要がある。脱細胞化された組織の評価(電子顕微鏡)での評価もおこなう。また、超高圧法での条件検討も行なう予定である。
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Research Products
(1 results)