2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24659790
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
権太 浩一 帝京大学, 医学部, 准教授 (50254925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岡 尚世 帝京大学, 医学部, 助教 (10444085)
平林 慎一 帝京大学, 医学部, 教授 (60173259)
淺野 裕子 帝京大学, 医学部, 講師 (60626290)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 再生医学 / 再生医療 / 組織再生 / 臓器再生 / 血管新生 / 血管再生 / 軟骨再生 / 肝再生 |
Research Abstract |
軟骨再生について:小耳症手術時に得られたヒト耳介軟骨から,コラゲナーゼ消化により軟骨前駆細胞を採取し,得られた細胞を培養・継代して増殖させ,軟骨前駆細胞シートを調整した。ヌードマウスの鼡径部脂肪組織に分布する血管網を,手術用顕微鏡下に脂肪を剥離・除去して血管網と脂肪間筋膜組織のみ単離した。調整した軟骨前駆細胞シートをこの血管網内に編み込むように移植し,再生組織を経時的に採取して組織学的検索を行った。その結果,Alcian Blue染色で染色される軟骨基質が,血管系の関与なしでは起こり得ない数mm厚というサイズで形成された。 肝再生について:ラット肝実質細胞に,高濃度のHGFを含む肝切後ラット血清を培養液に添加しつつ培養・増幅し,肝細胞シートを調整した。上記と同様の方法で作製した,ヌードマウス鼠径部脂肪組織血管網に対して,この肝細胞シートを移植し,再生組織を採取して組織学的に検討したところ,やはり数mm厚の肝組織が再生されていることが確認された。 以上より,顕微鏡下操作で作製した既存血管網は,良好な臓器再生を促す潜在能力を持つことが示され,大型臓器再生を目指す本研究の基本戦略の有効性が証明された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要にも記したように,細胞から調整したヒト軟骨前駆細胞シートやラット肝実質細胞シートの,ヌードマウス鼠径部脂肪組織血管網内への移植により,単なる組織液の拡散による栄養供給では起こり得ないサイズの組織再生が証明されたことは,本研究の基本コンセプトである既存の血管網を利用した臓器再生という戦略の正当性を示している。この部分が,本研究の実は最もcriticalな部分であり,これがクリアされたことは大きな進展ということができる。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的に,当初策定した研究計画に沿って,再生組織の組織学的・生化学的検索と,再生肝の機能的評価を行ってゆく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の実験は,主に協力施設(東京大学)の実験室において施行したが,次年度においては,当施設において動物実験および生化学的実験を行う予定のため,主に実験動物や試薬などの消耗品に対して支出を行う予定である。また,本研究に関連する学会へ,情報収集目的で参加する際の旅費にも使用予定である。
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