2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24659790
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
権太 浩一 帝京大学, 医学部, 准教授 (50254925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岡 尚世 帝京大学, 医学部, 講師 (10444085)
平林 慎一 帝京大学, 医学部, 教授 (60173259)
淺野 裕子 帝京大学, 医学部, 講師 (60626290)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 再生医療 / 血管新生 / 固形臓器 / 軟骨再生 / 肝再生 / 血管系構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
軟骨再生について:ヌードマウス鼠径部脂肪組織内血管網の中に,ヒト軟骨細胞シートを移植することにより数mmの厚みで軟骨再生が起こる現象を,再現性をもって確認した。再生された軟骨組織に対して,各種染色による組織学的検索を行ない,またvolumetricな解析を行ない,軟骨再生の効率を検討した。 肝再生について:これまでに確立したプロトコールに従って,マウス鼠径部脂肪組織内血管網の中に肝組織が再生される現象が,再現性をもって起こることを確認した。また,マウス大網血管網に編み込む形でラット肝実質細胞シートを移植した場合にも肝組織再生を認めたが,移植後1週間前後でレシピエントマウスが高い頻度で死亡するという事態になった。現在この現象の精査は中止し,マウス大網血管網内での肝再生実験は省いた上で,これまでに得られた結果をまとめつつ,追加実験も行ないながら,論文執筆を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要にも記した通り,肝再生実験において,肝機能正常のヌードマウスの大網血管網内にラット肝実質細胞シートを移植したところ,レシピエントマウスが高い頻度で死亡する現象が発生した。再生肝の生成する胆汁の排泄に問題がある可能性があり,死亡原因を探り,本実験モデルの改変によって対応しようとしたが,(1)胆汁排泄路を確保するようにマウス実験モデルを改変することは労力も多く要し時間もかかること,(2)大網血管網内で肝再生が起こるという事実がなくても,鼠径部脂肪組織内血管網内での肝再生の事実があれば,われわれが証明し主張したい知見の証拠には十分であること,の2つの理由により,マウス大網血管網内での肝再生実験は省いて実験結果をまとめる方針に転換した。ただ,この現象の原因究明・死亡回避のための検討に,やや時間を費やした。
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Strategy for Future Research Activity |
軟骨再生については,再生軟骨の組織学的な検討は行ったが,さらに物理的性質(強度・硬度等)を検討してゆく。肝再生については,やはり組織学的に肝組織が再生されることは確認できたが,再生肝組織の機能につき,血中ビリルビン濃度の測定や実験的肝機能障害誘導マウスでの肝再生実験で検討してゆく予定である。
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Causes of Carryover |
当施設において,既存の実験インフラをかなりの程度まで利用することが可能であったため,実験動物や薬品・消耗品以外の支出が少なかったために次年度使用額が生じたと思われる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度も,引き続き実験動物や薬品・消耗品に補助金を使用する予定であるが,余剰金が生じた場合には,返還することとする。
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