2012 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症におけるHIF‐1αを介した低酸素応答と凝固炎症反応連関
Project/Area Number |
24659793
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
丸藤 哲 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30125306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JESMIN Subrina 独立行政法人国立国際医療研究センター, 遺伝子診断治療開発研究部, 室長 (60374261)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 生体侵襲 / 臓器不全 / 凝固線溶系 / VEGF / Angiopoietin |
Research Abstract |
具体的内容 Hypoxia-inducible factor1-α (HIF1α)が発現を誘導するVEGF/VEGFR1/VEGFR2およびangiopoietin (Ang)/Tie2システムの動態とDIC、臓器不全発症との関連を、外傷、敗血症、心停止蘇生後症例で検討した。血管新生関連因子であるVEGF/VEGFR1/VEGFR2およびAng1/Ang2/Tie2動態は、対象とした三病態で同一の変化を呈することが判明した。トロンビン産生・活性化指標であるsoluble fibrinと組織酸素代謝失調の指標である乳酸値がVEGF, VEGFR1, Ang2変化の独立した規定因子であった。さらにVEGF, VEGFR1, Ang2, Ang1/Ang2 ratio、中でもAng2が外傷、敗血症、心停止蘇生後のDIC発症例では多臓器不全(MODS)発症に深く関わり、症例の予後を規定することが証明された。さらに、血中VEGF動態には血小板含有VEGFが影響することが判明し、血小板数が減少するDIC症例では血中VEGFも同様に減少することが証明された。 意義 血管新生関連因子が生体侵襲の種類を問わずに同様の動態を示すことを証明した意義は大きい。さらに、一連の研究で重度生体侵襲において引き起こされるDICに於ける臓器不全発症に血管新生関連因子が関与することを世界に先駆けて証明し、Ang2がこれらの症例の予後判定因子として臨床応用できる可能性を提示したことの意義も大きいと評価できる。
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