2014 Fiscal Year Annual Research Report
造血系疾患の治療を目指した歯髄、骨髄の神経堤及び中胚葉由来間葉の造血支持能の研究
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24659811
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
山崎 英俊 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00283987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 利之 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30452220)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 神経堤細胞 / 中胚葉 / ジフテリアトキシン / 歯髄 / 造血支持能 / 胸腺 / 骨髄 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経堤及び中胚葉由来間葉細胞の欠損モデルで認められた血液細胞、特にリンパ球の異常の原因を明らかにする為に、神経堤細胞が間葉細胞のみならず、末梢神経や副腎髄質に寄与することからカテコラミンに焦点を置き、測定を行なった。間葉細胞の欠損マウスでは、ノルアドレナリン、アドレナリンの濃度が激減していたが、ドーパミンの濃度は増加していた。従って、ドーパミン産生神経以外の神経に原因があると考えられた。続いて、アドレナリン及びノルアドレナリンのどちらが、リンパ球異常の原因であるかを検討する目的で、副腎除去手術を行ない、リンパ球への影響を調べた。副腎除去によりアドレナリンの血中濃度は激減したが、リンパ球の異常は認められなかった。 さらに、カテコラミンの血液系細胞への影響を考える為に、神経毒である6-OHDAを投与したモデルマウスを作製した。6-OHDA投与マウスでは、間葉細胞の欠損に類似した症状を認めた。これらのマウスの血中カテコラミンを測定したところ、ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンの全てが減少していた。 上記の二つの実験からノルアドレナリンの減少がリンパ球の異常に関わる可能性が考えられた。ノルアドレナリンが、神経接合部で分泌され、神経機能に重要である事、交感神経が造血幹細胞の骨髄内での維持や移動に深く関わるという報告があるので、骨髄中のtyrosine hydoroxyrase陽性の交感神経の存在を確認し、さらに交感神経から分泌されるノルアドレナリンの受容体が間葉系細胞に発現しているかを検討した。 最後に、胎仔期の歯間葉の造血支持能を検討する為に、胎仔骨髄細胞を指標に、骨髄及び歯間葉の非血液分画を単離し、ヌードマウスに移植し、造血支持能を検討した。少なくともB細胞に関して、胎仔期の骨髄間葉と異なり、胎仔歯間葉にはB細胞の分化誘導能が殆ど認められなかった。
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Research Products
(5 results)