2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24659813
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山本 敏男 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30107776)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池亀 美華 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70282986)
河井 まりこ 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40379839)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 骨髄骨 / 卵殻腺 / 破骨細胞 / RANKL / 鳥類 |
Research Abstract |
平成24年度の実績概要は以下の通りである。 1)卵殻腺でのRANKL発現を想定しているが,卵管各部位におけるRANKLの発現を,卵が膨大部,狭部,卵殻腺(子宮部)にある時期に分けて,それぞれの卵管についてウェスタンブロットまたはPCR法,免疫組織化学的方法を用いてRANKLの発現,局在を調べることを計画した。まず,卵管内における卵の位置に対応した卵管各部位ならびに骨髄骨を採取し,卵管内における卵の位置に同調した骨髄骨破骨細胞の動態を確認した。すなわち,卵が卵殻腺にある時期に破骨細胞は活性化し活発な骨吸収を行っており,卵がそれ以外の部位にある時期には休止状態を示すことを組織化学的ならびに微細構造学的に確認できた。 次に,ウェスタンブロットまたはPCR法,免疫組織化学的方法を用いて各部位における卵管についてRANKLの発現ならびに局在を調べることとしたが,予備実験の結果,既存のRANKL抗体はニホンウズラにクロス反応しないことが強く示唆されたため,ニホンウズラに対するRANKLの特異抗体作製の必要が生じた。しかしながら,ニホンウズラのRANKLについての遺伝子塩基配列に関する情報が無く,ニワトリの塩基配列情報に基づいて抗体を作製した。これを用いて現在,実験動物にニワトリを追加し,ウズラにクロス反応するかも含め検討中である。 2)血中におけるRANKLの動態についても上記の抗体を用いて検討中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は鳥類の卵殻腺における卵殻石灰化と骨髄骨代謝の同調機構をニホンウズラを実験材料として検索するものである。その際破骨細胞の活性化,不活性化機構に重要であるほRANKL,RANKおよびOPGの動態,特に破骨細胞活性化に重要なRANKLの発現,局在を卵管に着目してウェスタンブロット法,免役組織学的手法を用いて検出する計画であった。しかしながら,予備実験の結果,ウズラのRANKL, RANKおよびOPGは既存の抗体とクロス反応しないことが強く示唆された。したがって,上記3種類のタンパクの遺伝子の塩基配列またはアミノ酸配列を明らかにし特異抗体を作製するする必要が生じた。他方,ウズラの前記のタンパクについての塩基配列,アミノ酸配列に関する情報が無く作製ができなかった。そこで,ニワトリについては3種類のタンパクについて塩基配列が明らかになっているので,ニワトリに対する抗体を作製して用いることとした。このため,まずニワトリに対する上記タンパクの特異抗体を作製し,新たに分担研究者を追加しウズラに加えニワトリを実験動物とした実験計画を追加する必要が生じたため若干の遅れが生じた。
|
Strategy for Future Research Activity |
ニワトリに対するRANK特異抗体を用いてウズラととクロス反応するかを検証しつつ両動物を用い卵管におけるRANKLの発現をウェスタンブロット法と免役組織化学的手法を用いて検索する。同時に骨髄骨の破骨細胞の動態をRANKならびにOPG抗体を用いて検索する。以上の所見を得た後に当初予定していた下記の実験を遂行する。 1)卵殻腺に卵が入った後に,強制的に卵を除去し,卵殻腺におけるRANKL産生を前年度同様に分子生物学的,免疫組織化学的方法で調べる。同様に骨髄骨における動態についても調べる。以上の実験から,産卵周期上では卵殻石灰化時期であるが,卵を除去し卵殻腺に掛かる機械的刺激を取り除くことによりRANKLの分泌の停止,且つこれに起因する骨髄骨吸収の停止が明らかになると考える。 2)卵が卵殻腺に存在しない時期に,擬似卵を排泄腔より卵殻腺に挿入し,卵殻腺におけるRANKL産生を上記同様に分子生物学的,免疫組織化学的方法で調べる。同様に骨髄骨における動態についても調べる。以上の実験から,産卵周期上では卵殻石灰化時期ではなく,骨髄骨の破骨細胞も休止期であるが卵殻腺に機械的刺激が加わることにより,RANKL産生が始まり,それに起因する破骨細胞活性化による骨髄骨吸収が明らかになると考えられ る。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費は主に試薬等の消耗品に充てる。また,成果を学会等で発表するための旅費に充てる予定である。
|