2012 Fiscal Year Research-status Report
歯周病原細菌プレボテラ・インターメディアの部位特異的変異株作製への挑戦
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24659817
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中山 浩次 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80150473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 真理子 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (20244072)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 歯周病 / 細菌 / 組換えDNA |
Research Abstract |
本菌の病原因子の輸送に関わることが予想されるPor 分泌機構に関わる遺伝子porKの変異株の作成を行った。Pre. intermedia のporK遺伝子と上下流領域を含む断片をPCRにて増幅した。その後porK遺伝子の領域をBacteroides 由来の エリスロマイシン耐性遺伝子ermFに置き換えて、porK 遺伝子変異株作成用のターゲティングDNAを作成した。このターゲティングDNA断片をPre. intermedia への形質転換に用いられたプラスミド pTCBに挿入した。またプラスミドDNAの脱落株を選択するためにBacillus subtilis 由来のsacB遺伝子DNAも挿入した。挿入したsacB 遺伝子は Por. gingivalis で活性を持つことが確認されているネコ由来のPorphyromonasのcatalase 遺伝子のプロモーター配列(cat promoter)下で発現するように組換えたものを用いた。このsacB遺伝子が存在するとスクロース存在下で多糖体(2,6-beta-D-fructosyl)を合成して致死をもたらす。上記で作製したプラスミドpTCB sacB+ porK::ermF を大腸菌S17-1株を介してPre. intermediaに形質転換した。得られた形質転換菌の一部の菌でプラスミド上のporK ターゲティングDNA と染色体上のporK 遺伝子領域の間で一致する配列間での相同組換えが起こり、porK 遺伝子がエリスロマイシン耐性遺伝子に置き変わったporK変異株が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
porK変異株を作成できたことは変異株作製システムが一応完成したことを意味している。しかし、相補株の作製がいまだに達成できていない点や変異株分離の頻度が低い点などまだ課題が多く残っている。
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Strategy for Future Research Activity |
sacB遺伝子によるカウンターセレクションは成功しているので、変異株分離頻度の問題はプラスミドのPre. intermediaへの導入頻度である。大腸菌からシャトル・プラスミドを用いてPre. intermediaに移入させる方法を用いているが、他のシャトル・プラスミドや導入方法の改善を行うことで解決したい。 porK遺伝子以外の遺伝子変異株を作製する。候補遺伝子はporTなどのPor分泌機構に含まれるタンパク質の遺伝子、酸素ストレス抵抗性遺伝子などである。 porK変異株については培養上清中のタンパク質を野生株のそれと比較してPre. intermediaにおけるPor分泌機構依存性タンパク質を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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