2012 Fiscal Year Research-status Report
頭痛患者の唾液を用いたメタボローム解析による新規診断法の開発
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24659820
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
槻木 恵一 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (00298233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 昌弘 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30458963)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 片頭痛 / メタボローム解析 / 咬合 / 唾液 / 咬合性頭痛 |
Research Abstract |
片頭痛は、問診を中心として診断が行われており、いわゆるマーカーを指標とした客観的な診断基準がないのが現状である。本研究では、頭痛のうち咬合由来の頭痛の存在を明らかにするために、唾液中の代謝産物を網羅的に検討し、咬合性頭痛の診断基準の確立を目指すものである。 平成24年はスクリーニング用のマーカーの探索と初期段階と進行期の違いの評価について検討した。 本研究では、18-20歳を対象(450例程度)として頭痛を持つものと持たないものを振り分けた後、全唾液を用いてメタボローム解析し、頭痛の初期における代謝産物を同定する。さらに、頭痛外来で片頭痛と診断された患者の唾液も採取した。メタボローム解析は、研究分担者の杉本の所属する施設においてある機器を使い分析を行った。頭痛症状の無い患者、初期の患者、片頭痛の症状のある患者では、代謝プロファイルに違いが認められた。さらにこれらの患者の模型を採取し、咬合との関連を検討した結果、II級傾向のある患者に頭痛が多い傾向が認められ、代謝産物をウェスタンブロットで検討したところ量的差異も認められる物質も同定できた。 これまで、3群間で代謝プロファイルの異なっていた物質は200程度であるが、これらの物質のうち有力と思われる15を抽出した。さらに、実験的に代謝活性のうちどのような酵素が関与しているか検討したところ、5つの酵素と代謝異常と思われる経路が明らかになった。頭痛患者の唾液は代謝産物レベルで異なることが明らかとなり、マーカーとなりうる候補物質を絞り込むことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
唾液中のメタボローム解析は、順調に進み候補物質を絞り込み始めており、達成度は良好である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後研究を進めるには、症例数を増やすことなので、共同研究の頭痛外来内科医との連携をさらに密にして対応する予定となっている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年までの研究結果をもとに、治療効果の評価や予測の応用をするためにさらにメタボローム解析のための試薬などを計上する。 また、研究成果が順調に出ているので慶應義塾大学先端生命科学研究所の往復旅費、国際学会渡航費も計上する。
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Research Products
(30 results)