2012 Fiscal Year Research-status Report
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24659831
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小林 真之 日本大学, 歯学部, 准教授 (00300830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
崔 翼龍 独立行政法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, ユニットリーダー (60312229)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | PET / 侵害刺激 |
Research Abstract |
本年度,我々は2つの実験を平行して進めることによって以下の成果を得た。 第一に,口腔顔面痛をもつモデルラットとして下歯槽神経切断による神経因性疼痛モデルラット(Iwata et al., Int Rev Neurobiol, 2011)の作製手技を確立した。さらに,本モデル動物における痛覚閾値の評価を行った結果,2週間以上にわたりvon Frey刺激毛による刺激で逃避閾値,すなわち痛みによって顔を背ける行動を起こす閾値が低下することを確認した。また,痛覚閾値の低下が最も顕著な期間が,施術後2週間付近にあることも合わせて明らかになった。一方,下歯槽神経を縫合用ナイロン糸で緩く結紮するモデルラットやアジュバント投与による炎症性モデルラットについては,下歯槽神経切断モデル動物と比較して痛覚閾値の変化にばらつきが生じる傾向にあった。 第二として,小動物,特にラット,を用いたPET撮像法を確立した。PET撮像には,覚醒状態における脳賦活領野の同定が可能であるFDG法を用い,小動物に特化したPETカメラを使用し,SPMによる統計解析を行うことにより,測定精度の向上を図った結果,侵害的な口腔内刺激によって賦活化される脳領域を検出することが出来た。この成果については,共同研究者と共著で論文を作成し,現在国際誌に投稿中である(Kobayashi et al., Journal of Neuroscience Research, in revision)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の結果から,来年度は下歯槽神経切断モデル動物をもちいてプラシーボ効果を調べることが効率的であることが判明し,また,PET撮像の手技を確立したことから,来年度後半には成果を挙げることが期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
FDG-PET法によるプラシーボ鎮痛効果の責任領野の同定を行う。 具体的には,慢性痛モデル動物に5日間ビープ音刺激後に鎮痛薬を腹腔内投与し,6日目ビープ音刺激後に鎮痛薬を腹腔内投与する。その後FDG 投与しvon Frey刺激後にPETスキャンを行う。一方プラシーボ群として,慢性痛モデル動物に上と同様の処置を行い,6日目ビープ音刺激後に生理食塩水を腹腔内投与する。その後FDG 投与しvon Frey刺激後にPETスキャンを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
PET撮像を理化学研究所で行うための旅費と成果報告のための学会参加費を計上する。また,装置に係る消耗品と動物購入費用,麻酔薬やNSAIDの購入費,論文投稿に係る諸経費を計上する。
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