2014 Fiscal Year Annual Research Report
難治性三叉神経障害性疼痛発症に対するグリア-神経細胞機能連関の関与
Project/Area Number |
24659832
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
岩田 幸一 日本大学, 歯学部, 教授 (60160115)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 真之 日本大学, 歯学部, 准教授 (00300830)
中西 博 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (20155774)
篠田 雅路 日本大学, 歯学部, 准教授 (20362238)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 三叉神経 / ミクログリア / アストログリア / 神経損傷 / 炎症 / 延髄 / ニューロン-グリア機能連関 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の計画では三叉神経損傷モデルラットのみを用いて研究を推進する予定であったが、本プロジェクトを推進する過程で炎症モデルとの比較をすることの重要性を見出し、炎症モデル動物の研究結果と比較し検討を加えた。眼窩下神経結紮(ION-CCI)モデルラットの三叉神経脊髄路核(Vc)および上部頸髄(C1-C2)において、活性型ミクログリアのマーカーであるIba1陽性細胞発現を多数認めた。Iba1陽性細胞はVc およびC1-C2において三叉神経第I枝からIII枝の領域まで広がっていたが、この拡大は神経損傷後1週間を経過すると徐々に縮小し、陽性細胞数も減少した(Shibuta et al. Brain Res 2012)。本プロジェクトではさらに、頸筋にCFAを注入して作製した頸筋炎症モデルについてもIba1陽性細胞発現について解析を行った(Kiyomoto et al. J Neurosci 2013, Mostafeezur et al. EJP 2014)。このモデルにおいては、ION-CCIモデルの場合よりもさらに広い領域に陽性細胞発現を認め、その発現はより長期間続いていた。また、これら両モデルに対してミクログリアの阻害薬を髄腔内投与することによって、神経興奮のマーカーであるリン酸化ERK陽性細胞数の有意な減少を認めた。このことから、三叉神経損傷あるいは口腔顔面を含む領域の炎症によってVcおよびC1-C2領域に存在するミクログリアが活性化され、これにより両領域に分布するニューロン活動が亢進することが明らかにあった。さらに、このようなミクログリアの活性化亢進は炎症時の方が三叉神経損傷時より強い可能性が示された。また、本プロジェクトではアストロサイトとミクログリアとの機能連関についても解析を行っており、神経損傷モデルにおいては両グリア細胞間において相互的機能連関があることが判明した。
|
Research Products
(16 results)