2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24659835
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
遠藤 康男 東北大学, 歯学研究科(研究院), 技術補佐員 (50005039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 俊二 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (10241639)
黒石 智誠 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30400261)
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Keywords | アレルギー / レジン / 金属 / 炎症 / ニッケル / ハイドロキノン / 歯科材料 |
Research Abstract |
背景・目的 : レジンモノマー (RM) によるアレルギーは歯科関連者で多く報告されている.しかし,RMのアレルゲンとしての作用は弱く,マウスでの RM によるアレルギー作成成功の報告はない.私達は以下の疑問をもつに至 った. (1) RM はアレルゲンではなく,実際は,他のアレルゲンに対しアジュバント(促進剤) として作用するのではないか? (2) 市販 RM に含まれるRM以外の物質がアレルゲンになるのではないか? この2点について以下の結果を得た. 結果: (1) RM のアジュバント効果:Ni を含む金属は歯科を含めひろく応用されており,Ni によるアレルギーの頻度は極めて高い.私達は,RM の2-hydroxyethyl methacrylate (HEMA) とmethyl methacrylate (MMA) は,Ni アレルギーの成立と発症の両段階でアジュバントとして 作用することを発見した.(2)市販 RM に含まれるハイドロキノン (HQ, RMの重合防止剤として汎用) によるアレルギにたいしても これらの RM が アジュバント効果を示すことを発見した.RM はoxazolone (実験的に広く使われるハプテン抗原) によるアレルギーも 促進した. 考察:以上の結果は, “従来の RM アレルギーには,RM 以外の抗原 (金属やHQなど) に対して,RM がアジ ュバントとして作用して発症したアレルギーが含まれている” 可能性を強く示唆する. 従って,今後は RM を,アレルゲンとしてのみならず,アジュバントとしても認識する必要がある. 昨年度の基礎的データに加え,本年度も,上記を支持する種々の結果 ( IL-1やマクロファージの関与,細胞移入実験成功など) を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究はほぼ予定通りに進行している.
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Strategy for Future Research Activity |
1.現在 前述 (1) の成果を論文にまとめまもなく投稿する段階である.この論文の本年度内の accept をめざす. 2. ハイドロキノンによるアレルギーにたいしても RM がアジュバント効果を示すとの前述 (2) の成果についても,論文を作成する. 3. RM のアジュバント効果の機序,とくに,IL-1 関与の機序および T 細胞との関係について検討する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験用マウス数を削減できたため. 当初の計画にはなかった関連パイロット実験のマウス代.
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