2012 Fiscal Year Research-status Report
おとり遺伝子を用いた変形性関節症への新規遺伝子治療法の応用
Project/Area Number |
24659838
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
石橋 浩晃 島根大学, 医学部, 准教授 (90254630)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 変形性関節症 / 気質破壊酵素 / 遺伝子治療 / 転写因子 |
Research Abstract |
関節細胞の基質破壊酵素産生において,TNF αなどの炎症性サイトカインやNF-kBなどの転写因子の病態成立への関与機序を検証し,本研究の臨床応用にむけての以下のとおり導入条件の確立と導入効果の解析を行った. 1)TNFαによる基質破壊酵素の産生:培養関節細胞における炎症性サイトカイン(TNFα,IL-1)が与える基質破壊酵素(uPA,MMPs)の産生への影響を検討した.また,おとり遺伝子戦略では標的転写因子の適切な選択が重要であるが,関節細胞においてTNF α共存下でNF-kBが強力に活性化する事を バンドシフトアッセイにより確認し, TNFαが本戦略の標的転写因子として適応できるかを検証した. 2)ヒト関節組織における蛋白発現の解析:本戦略には生体において,おとり遺伝子療法の標的分子が活性を示している事が原則になる.そこで,ヒト関節組織でのTNFα,uPA,MMP-1の局在を免疫組織化学的染色により検索すると,軟骨細胞の周囲に同調して局在しており,密接な相互作用を示している可能性が示唆された.そこで,基質破壊酵素の生理活性をin situ zymographyにて解析した. 3)基質破壊酵素産生におけるおとり遺伝子導入効果の検討:変形性関節症へのNF-kBを標的としたおとり遺伝子治療を展開する基礎的資料を得るために,関節細胞にHVJ-リポソ-ム法にておとり遺伝子を導入し,TNFα刺激によるuPAおよびMMPs発現に与える効果をNorhtern blotにて検討し,抑制効果を解析した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の実験計画のとおり,動物を用いた関節細胞の培養に成功し,さらに基質破壊酵素産生においてTNF αなどの炎症性サイトカインやNF-kBなどの転写因子の関与を検証まで到達した,さらに,臨床応用にむけて,遺伝子導入条件の確立と導入効果の解析までを終了した.
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Strategy for Future Research Activity |
培養細胞の研究成果により,おとり遺伝子は複数の基質破壊酵素の発現が同時抑制できる事が解明できる.そこで本戦略の有効性について動物モデルでの検証に発展していく事が必要である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現有物品,器材,試薬の使用により当該年度の研究遂行に支障をきたさず,主に情報収集などに執行したが,次年度からは,遺伝子導入による治療効果についての遺伝子工学的,生化学的,さらに病理学的解析の予備実験,そして本実験が必要となるので,相応の物品が必要となるので適宜執行していく予定である.
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Research Products
(2 results)