2013 Fiscal Year Annual Research Report
癌の治療から予防法の確立へ:癌に強いマウスの癌増殖抑制と転移抑制機構の解明
Project/Area Number |
24659843
|
Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
畑 隆一郎 神奈川歯科大学, 歯学研究科(研究院), その他 (10014276)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前畑 洋次郎 神奈川歯科大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (80410009)
|
Keywords | 癌抑制分子 / ケモカインCXCL14/BRAK / 発癌抑制 / 実験的発癌 / 転移抑制 |
Research Abstract |
生体内における癌の増殖抑制と転移抑制においてナチュラルキラー(NK)細胞が重要な働きをしている間接的なデーターは多くあるが、その分子機構は不明である。申請者は白血球などを呼び集める作用が知られているケモカインの一種であるBRAK(CXCL14)がNK細胞の癌細胞を殺す作用を促進して、腫瘍の増殖や転移を抑制する事を明らかにしてきた。今年度は我々の作成したCXCL14/BRAKを野生型(Wt)マウスより10倍ほど過剰に発現するトランスジェニック (BRAKTg) マウスを用いて、実験的化学発癌系を用いて発癌過程に対するCXCL14/BRAKの作用について検討した。 研究の方法と結果:BRAKTgマウスと野生型マウスの腹腔にアゾキシメタン(12mg/kg 体重)を注射後、 3%のデキストラン硫酸ナトリウムを間欠的に飲料水に加えることにより実験的大腸癌を発生させた。 アゾキシメタン注射14日後の大腸の組織像ではTgマウスではWtマウスより細胞の浸潤が少なく、56日後のマウスではBRAK Tgマウスの腫瘍数はWtマウスの1/10であり有意(P<0.001)に少なかった。 本研究により BRAKを高発現するマウスは発癌過程に対しても抵抗性を示す事が明らかになった。このマウスは生後2年まで調べても異常を示さず、さらに健康人においてもBRAKTgレベルのBRAKを発現する人が存在することから、BRAKを高発現することは癌の治療だけでなく予防法としても応用できる可能性が示された。
|
Research Products
(11 results)