2013 Fiscal Year Research-status Report
核磁気共鳴映像法(fMRI)とTRP受容器タンパク解析法を用いた歯髄感覚の再分類
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24659845
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
池田 英治 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (20222896)
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Keywords | 歯髄 / 冷覚 / 痛覚 / TRPM8 / TRPA1 / メンソール / イシリン / beta2アドレナリン受容器 |
Research Abstract |
1.歯髄感覚(冷覚)を証明する研究ではヒト被験者の感覚を確認することは重要な意味をもつ。そのため、核磁気共鳴映像法(fMRI)を用いた非侵害受容性歯髄感覚の研究を立案した。その遂行のためには、歯髄以外からの冷刺激受容感覚を排除する必要がある。すなわち、歯肉に冷刺激が漏れず、触覚・痛覚を刺激し過ぎない刺激装置が最も重要になる。そこで我々は独自に寒冷刺激用マウスピースを考案した。寒冷刺激装置(温度設定が零下まで可能である)で発生させた冷水をシリコンチューブを通して被験者が装着したマウスピース内の空間に流し、その冷水を還流することで、歯に限局した選択的寒冷刺激ができるようになった。 2.免疫組織学的手法を用いて、寒冷刺激受容イオンチャンネルタンパク質(TPRM8、TRPA1受容器タンパク)の歯髄内標識を行った。その結果歯髄表層に陽性反応を認めるも、その詳細な局在はさらに研究解析を行う必要がある。 3.電気生理学的に新鮮単離したヒト象牙芽細胞を用いて、パッチクランプ法により細胞膜に対する寒冷刺激を加えた際に、TPRM8イオンチャンネル様チャンネルの開閉記録ができた。実験例数を増やすとともに、ブロッカーを作用させた際の抑制様式を含めた検証が必要である。 4.メンソール、イシリンなどの冷感覚を生じる化学物質をヒト象牙質に作用させて、少なくとも動水力学説に基づいた、鋭痛ではない別の感覚を生じることがわかった。実験例数を増やす必要がある。現在、還流寒冷刺激系と化学刺激の両方でヒト被験者で生じる感覚とfMRIの像を比較記録し始めた段階である。 5.beta2アドレナリン受容器タンパクが歯髄表層の象牙芽細胞に局在することが免疫組織学的に明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以前のヒト歯髄非侵害姓感覚受容機構に関する研究が成功しなかった理由は、第一に選択的非侵害性寒冷刺激を歯髄に加えることができなかったことと、第二に生じた感覚が歯髄痛覚と歯根膜触覚、歯根膜冷覚にマスクされたからである。これらを克服するために、刺激装置の開発に1年間かかっている。今後fMRIを用いた記録を開始したいが、平成25年末から、大学の研究室がビル全体の改修工事時期に入ってしまい、研修室・実験室が使用できない状態が5月末まで続くことが遅延を招いている。 また、末梢レベルではTRPM8受容器の免疫組織学的標識に成功したので、その局在の詳細を詰める必要がある。Patch-clamp法を用いて象牙芽細胞膜にTRPM8様のイオンチャンネルの存在を確認したが、更なる検証が必要である。 免疫組織学的を用いて、さらに、beta2アドレナリン受容器タンパクが象牙芽細胞層に存在することを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに考案した非侵害性歯髄神経冷刺激回路・刺激装置を使用して、脳血流の変化をfMRIを用いて検出し主観的非侵害姓感覚と客観的fMRI記録画像の比較検討を行う。 また、末梢レベルではTRPM8受容器の免疫電顕法を用いた解析を開始している。TRPM8チャンネルの特性をパッチクランプ法を用いて詳細に解析する予定である。平成25年12月から平成26年5月に及ぶ大学ビル改修工事にともなう研究室の改修により、実験の遅延は、改修工事の終了後直ちに進めていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験室・研究室の入っている大学内ビルの改装事業のため、研究・実験室が一時的に(平成25年12月から平成26年5月まで)使用不可能となり、遂行予定の動物実験が一時的遂行困難な時期が生じたため。 5月末には研究室・実験室の改修が終了し、移転が終了する予定である。延期していた実験が可能になるので動物実験を遂行する。
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Research Products
(13 results)