2012 Fiscal Year Research-status Report
細菌バイオミネラリゼーションを応用したシールド・レストレーション
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24659847
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉山 昌宏 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10201071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西谷 佳浩 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (60325123)
大原 直也 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70223930)
大原 直子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80301365)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 歯学 / 歯科保存修復学 / 細菌学 / 接着歯学 |
Research Abstract |
本研究の基盤となる口腔由来細菌の石灰化について検討した。供試菌としてこれまでに報告のあるCorynebacterium matruchotiiを用い、既報を参考に液体培地および寒天培地上で培養し、石灰化物の形成を観察した。具体的にはブレインハートインフュージョン(BHI)培地をベースに塩化ナトリウム、炭酸カルシウム塩、リン酸塩、塩化カリウム塩を含む寒天培地、およびカゼイン加水分解物をベースに各種塩類、ビタミン類、ヌクレオチド類、増殖因子を混合した半合成液体培地を作成し、実験群には高濃度の塩化カルシウムを添加した。また実験群寒天培地には低濃度のシリコンも同時に添加した。1~2か月培養後菌体を回収し、観察に供した。 寒天培地上に形成された集落をホルマリン溶液で固定後、パラフィン包埋を行い、厚さ5μmの切片を作製した。 カルシウム化合物の検出を目的として、ヘマトキシリン・エオジン染色(HE染色)およびアリザリンレッド染色を施し、光学顕微鏡にて観察した。HE染色では、一部の菌がカルシウム陽性を示唆する暗紫色を呈していた。同部は、アリザリンレッド染色においても、薄い赤色を呈しており、カルシウム化合物沈着の可能性を示した。いずれの場合も菌体そのものが染色されており、菌体内石灰化が誘導されている可能性を示唆していた。また、液体培地で培養した場合に菌の内部に粒状物を認めた。今後、粒状物の電子顕微鏡による観察、培養法による菌体内石灰化の相違および時間的変化について検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究実施計画はおおむね順調に達成できた。特にCorynebacterium matruchotiiにおいて菌体内石灰化が誘導されている可能性を示唆することができたことは評価できると考えている。また、液体培地で培養した場合に菌の内部に粒状物を確認できており、今後の研究の発展に大きく貢献すると思われる
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Strategy for Future Research Activity |
今後、Corynebacterium matruchotiiの菌の内部の粒状物の電子顕微鏡による観察、培養法による菌体内石灰化の相違および時間的変化について検討を行う予定である。 Corynebacterium matruchotii
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究において菌体内石灰化が誘導されていたCorynebacterium matruchotiiを用いて菌体外においても石灰化が誘導されるかどうかを検討する。また石灰化前後での遺伝子発現の状態を解析し比較する。さらにヒトう蝕歯から軟化象牙質を採取しCorynebacterium matruchotiiを用いて再石灰化を試みる。その後接着性レジンを適用し再石灰化の状態や接着性を検討する予定である。Corynebacterium matruchotiiの組み替え菌の作成も試みる。
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