2013 Fiscal Year Annual Research Report
細菌バイオミネラリゼーションを応用したシールド・レストレーション
Project/Area Number |
24659847
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉山 昌宏 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10201071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西谷 佳浩 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (60325123)
大原 直也 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70223930)
大原 直子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80301365)
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Keywords | 歯学 / 歯科保存修復学 / 細菌学 / 接着歯学 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、歯石形成に関与しているとされるCorynebacterium matruchotiiを用い、バイオミネラリゼーション誘導について検討をおこなった。 培養法は、液体培地あるいは固形培地を用い2種の方法を比較した。いずれの場合にもミネラリゼーション誘導群は1mmol/Lの濃度でカルシウムを添加した。誘導およびミネラル形成期間は2か月~12か月に設定し、比較検討した。 Corynebacterium matruchotii はグラム陽性桿菌であり、グラム染色では細長い線状の菌体が紫色を呈していることが確認できた。液体培養では、2か月よりHE染色にて一部の菌が暗紫色を呈し、アリザリンレッド染色においても薄い赤色を呈した。4 か月後には、染色状態は明瞭かつ広範囲になり、 アリザリンレッド染色においては赤色を呈した。12か月後には、アリザリンレッド染色の赤色変化は著明であった。 高拡大観察では、菌体そのものが染色されており、菌体内石灰化が誘導されていると考えられた。 菌塊の変化を比較した場合、ミネラリゼーション期間を延長するにともない、菌体の凝集が増加したが、菌どうしの接着の減少が認められた。このことは菌体内の石灰化が進行した結果、菌体の生活反応が減少し細胞間のつながりが減少したためであると予測された。 固形培養では、12か月のものでも明らかな染色変化は認められなかった。 以上、Corynebacterium matruchotiiにおいて、カルシウムを多く含む環境で培養することにより細菌のバイオミネラリゼーションを生じさせることができた。また、誘導方法は、液体培地での誘導が望ましいとの結論を得た。
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Research Products
(1 results)