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2012 Fiscal Year Research-status Report

歯髄幹細胞は歯牙再植時の歯周組織再生の細胞源となりうるか?

Research Project

Project/Area Number 24659848
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

和田 尚久  九州大学, 大学病院, 講師 (60380466)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 赤峰 昭文  九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (00117053)
前田 英史  九州大学, 大学病院, 講師 (10284514)
門野内 聡  九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30609558)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords歯髄幹細胞 / 歯周組織 / 歯根膜組織 / 組織再生
Research Abstract

歯髄幹細胞(DPSC)が存在するヒト歯髄組織は、様々な医療分野における組織再生のための移植治療の重要な細胞源となりうると考えられている。本研究では、DPSCの歯周組織再生の細胞源としての可能性を検討する目的で、ヒトDPSCが歯根膜細胞様細胞への分化能を有するか否かを検討した。先ずヒト歯髄細胞と歯根膜細胞における歯根膜関連マーカーの発現を解析したところ、歯髄細胞ではPeriostin, Col-1, α-SMAの発現が歯根膜細胞と比較して有意に低かった。次にヒト第3大臼歯の歯髄組織及び歯根膜組織よりsingle-colony selection法を用いて歯髄細胞クローンおよび歯根膜細胞クローンを単離した。歯髄細胞各クローンはフローサイトメトリー分析法によりMSCマーカーであるCD73, CD90, CD105, CD146およびCD166を発現していた。また、分化能について検討したところ、骨芽細胞、脂肪細胞および軟骨細胞分化を示したことから多分化能を有していることが明らかになった。以上の結果より、単離した歯髄細胞クローンはDPSCの特徴を有していると考えられた。一方でPeriostin, Col-1, α-SMAの発現は歯根膜細胞クローンと比較して低く、特徴が異なっていた。そこでDPSCをブタ歯槽骨スライス上で2週間培養して、Periostin, Col-1, α-SMAの発現を検討したところ、歯根膜細胞クローンと同等のレベルまでその発現が上昇した。以上の結果より骨組織と接触したDPSCはgrowth factor非存在下で歯根膜細胞様細胞に分化する可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

申請時の初年度の予定では、ヒト歯髄幹細胞 (DPSC) のキャラクタライゼーションを行い、歯周組織形成モデルin vitro培養系を用いたDPSCの歯根膜細胞様細胞分化の検討を行うとしていた。実績概要に示す通り、DPSCのキャラクタライゼーションは詳細に行うことができた。また、歯根膜細胞様細胞分化の検討に関しては骨および象牙質スライス上でのDPSC培養の影響は検討できたものの、2次元的に歯周組織環境を再現するモデルに関しては未だ確立できていない。一方で、次年度の実験計画に予定していた3次元的に歯周組織環境を再現するモデルを用いてDPSCの挙動を検討したが、ポジティブな結果は得られなかった。歯周組織形成モデルin vitro培養系における研究結果をまとめると、骨基質上においてDPSCの歯根膜関連マーカー発現が上昇していたことから、本研究の仮説としているヒトDPSCによる歯根膜細胞様細胞分化の可能性が示唆され、次年度以降に繋がる成果が得られたと考えている。

Strategy for Future Research Activity

今後はまず、骨および象牙質スライスを用いた2次元的に歯周組織環境を再現するモデルを確立し、DPSCによる歯根膜細胞様細胞分化能を詳細に検討する予定である。
次に、in vivo歯牙再植モデルを用いた歯髄幹細胞(DPSC)移植による歯根膜組織再生能の検討を行う予定としている。免疫不全マウスより抜去した上顎切歯歯根表面の既存の歯根膜組織をキュレッタージにて除去後、EDTA にて根面処理を行い、ヒトDPSCをコラーゲン担体とともに抜去歯牙歯根表面および抜歯窩に付着させ、抜歯窩に歯牙を再植する。経時的変化を組織学的に観察し、骨芽細胞マーカー、セメント芽細胞マーカーおよび歯根膜組織マーカーや神経マーカーおよび血管マーカー(VEGF, Tie-2)の発現を免疫組織化学的染色法にて検討する。また、線維成分の局在および走行をマッソントリクローム染色にて検討する。以上によってヒトDPSC移植による歯根膜組織を含む歯周組織再生能の分析を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

初年度に確立できなかった、骨および象牙質スライスを用いた2次元的に歯周組織環境を再現するモデルの確立に研究費を使用予定である。
解析方法として、骨―象牙質間に増殖、分化した細胞によって形成された構造の組織学的観察およびマッソントリクローム染色によって線維構造を検討する。さらに、骨側に分布する細胞における骨芽細胞マーカー因子の発現および象牙質側に分布する細胞におけるセメント芽細胞マーカー因子の発現について免疫組織化学的染色法による検討を行う。以上の実験に関わる物品購入などに研究費を充てる予定としている。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Dental pulp stem cells on bone tissue express periodontal ligament-related gene2013

    • Author(s)
      Shinichiro Yoshida
    • Organizer
      The 9th World Endodontic Congress
    • Place of Presentation
      Tokyo International Forum
    • Year and Date
      20130523-20130526

URL: 

Published: 2014-07-24  

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