2013 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄幹細胞は歯牙再植時の歯周組織再生の細胞源となりうるか?
Project/Area Number |
24659848
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
和田 尚久 九州大学, 大学病院, 講師 (60380466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤峰 昭文 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (00117053)
前田 英史 九州大学, 大学病院, 講師 (10284514)
門野内 聡 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30609558)
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Keywords | 歯髄幹細胞 / 歯周組織 / 歯根膜組織 / 組織再生 |
Research Abstract |
歯髄幹細胞(DPSC)が存在するヒト歯髄組織は、様々な医療分野における組織再生のための移植治療の重要な細胞源となりうると考えられている。本研究では、DPSCの歯周組織再生の細胞源としての可能性を検討する目的で、ヒトDPSCが歯根膜細胞様細胞への分化能を有するか否かを検討した。前年度に、single-colony selection法にて確立した歯髄細胞クローン群から、間葉系幹細胞マーカー発現を認め、多分化能を有する歯髄幹細胞クローン(DPSC)を単離した。歯髄細胞は歯根膜細胞と比較して歯根膜関連マーカーであるperiostin, Col-1, alpha-SMAの発現が低いが、DPSCをブタ歯槽骨スライス上で培養すると歯根膜関連マーカーのmRNA発現が上昇した。 平成25年度において以下の研究結果を得た。DPSCを歯槽骨スライスと近接した状態で培養するとperiostinタンパクの発現が上昇した。一方で、マウス歯周組織におけるTGF-beta発現を免疫化学染色にて検討したところ、歯髄組織ではその発現がほぼ認められなかったが、歯根膜組織に強発現していた。さらに、in vitroにて歯根膜細胞および歯髄細胞におけるTGF-beta mRNA発現を検討したところ、歯根膜細胞において有意にその発現が高く、TGF-betaは歯根膜組織において重要な因子である可能性が示唆された。そこで、TGF-betaにてDPSCを刺激したところ、歯根膜関連マーカーの発現が上昇した。in vivo実験系のさらなる検討が必要ではあるが、以上の結果から、歯髄幹細胞は歯根膜組織再生の移植細胞源として有用である可能性が示唆された。
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