2012 Fiscal Year Research-status Report
生涯骨密度変化を考慮した顎骨リモデリングの3次元シミュレーションコードの開発
Project/Area Number |
24659852
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐々木 啓一 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (30178644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重光 竜二 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (00508921)
月僧 博和 福井医療短期大学, リハビリテーション学科, 教授 (80215136)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メカノバイオロジー / 骨リモデリング / 骨密度生涯方程式 |
Research Abstract |
研究目的である顎骨骨密度の経年的変化を予測するコード方程式を組み込んだ3次元顎骨リモデリング・シミュレーション確立を目指して、本年度は大腿骨における経年的な骨密度方程式を顎骨有限要素モデルに対して適用し解析を行った。 具体的には、有限要素解析ソフト:メカニカル・ファインダーを用い、健常歯列を有する被験者のCTデータからHU値に基づく不均質材料特性を与えた顎骨モデルの構築を行った。荷重条件は咬頭嵌合位での噛みしめ時の各筋筋力を、筋付着部の各点に負荷した。骨の材料特性については、月僧によって提案された経年的な骨密度変化を考慮した骨密度方程式を適応し、有歯顎者の27歳から2.1年ごと77.4歳までの経年的な顎骨各部の骨密度変化を算出しヤング率を算出した。算出されたヤング率に基づくイタレーション計算により、顎骨の経年的な骨密度変化様相のシミュレーションに成功している。 解析結果上では、歪みエネルギー密度と骨密度との間に相関性がみられ、大腿骨における係数の顎骨に対する適用の妥当性が示唆された。また、今後は欠損歯列に対する同シミュレーション手法の適応によって、欠損歯列における骨リモデリングの再現へと繋げ、欠損補綴治療における骨メカノバイオロジカルな反応を加味した治療計画の策定に寄与する可能性がある。 歯科補綴領域における、骨リモデリングを加味したシミュレーションはこれまでに例を見ず、本研究により得られた研究成果は欠損歯科補綴の発展に資するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は研究計画に準じて、有限要素解析ソフトのアルゴリズムに骨密度方程式を応用したヤング率算出コード方程式を組み込むことにより、顎骨の経年的な骨密度変化様相のシミュレーションに成功している。本研究成果は、次年度以降の研究遂行に資するものである。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は研究計画に基づき、大腿骨骨密度生涯方程式の顎骨有限要素解析への適用を行う予定である。解析ケースの増加により成長係数の妥当性を追求していく。また、シミュレーションされた経年的な骨密度変化と、CT画像、X線写真などの臨床データとの比較検討による評価および各種定数へのフィードバックを繰り返し行い、応用可能な顎骨骨密度生涯方程式を探索する。 これにより顎骨骨密度の経年的変化を予測するコードを組み込んだ三次元顎骨リモデリングシミュレーション確立への道筋を作る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は解析システムの構築に重点を置き解析ケースを限定したため、研究費の使用を一部保留した。当該研究費は、次年度以降の解析ケース増加およびデータ解析費用に充てる予定である。
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Research Products
(4 results)