2013 Fiscal Year Research-status Report
有床義歯装着患者の慢性ストレスが唾液中のストレス感受性蛋白に及ぼす影響
Project/Area Number |
24659853
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
谷口 尚 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90171850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
隅田 由香 (岩倉 由香) 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (10361693)
乙丸 貴史 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教 (30549928)
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Keywords | 唾液 / 顎義歯 / コルチゾール / ストレス / 頭頸部癌 |
Research Abstract |
機能評価の結果より口腔機能が改善しているにもかかわらず,患者の不満感が解消されない場合もある.従来の機能評価法に加え,心理的な影響をとらえる事を目的とした検査方法の確立が望まれている. 本研究の目的は,唾液中のストレス感受性蛋白を計測し, 従来客観的機能評価ではとらえきれなかった患者の心理面について非侵襲的に評価できるシステムを構築することとし, 今回は特に,顔面口腔領域腫瘍の外科的摘出後に装着する顎義歯という特殊な義歯を研究対象として,その装着前後における患者の心理的変化,慢性ストレスの変化について非侵襲的な評価方法を構築することを目的とした. 被験者は頭頸部癌の外科的切除を経験した患者のうち, 下顎顎義歯安定期及び下顎顎義歯調整期の顎義歯装着者とした. この2群において, 起床直後(T0)および起床後30分(T30)の1日2回を連続した2日間(計4回)の唾液採取とアンケート調査を行い, 唾液中コルチゾール値について, T0, T30および2点の差について比較検討を行った. その結果, 安定期の下顎顎義歯装着群ではT0からT30の間のコルチゾール値の上昇が認められたが, 調整期の下顎顎義歯装着群では認められず, T0とT30の差において, 調整期の下顎顎義歯装着群は, 有意に低い値を示した. 本研究結果を論文投稿し,Journal of Prosthodontic Researchにアクセプトされた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
顎義歯という特殊な義歯を装着している患者を対象とした非侵襲的なストレス評価方法の確立に向け, 鼻汁の影響の少ないと考えられる下顎顎義歯装着患者について一定の結果が得られ,論文投稿がおわり,アクセプトされたため.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度では,顎顎義歯装着患者について顎義歯調整期から安定期にかけて経時的なデータを採取し, 個人における唾液中コルチゾール値の変化を調べることで, 顎義歯装着期間による影響が明確になり, 臨床現場へのフィードバックが可能となると考えられる. また, 鼻汁が影響すると考えられる上顎顎義歯装着患者については, 従来の機能評価法等を用いて顎義歯の適合性を検討し,唾液採取を行うことが望ましいと考えられる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度末での購入のため,支払い時期が次年度になったため,次年度使用額が生じた. 次年度使用額は,本年度ですでに納品済であり,適切に執行予定である.
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