2012 Fiscal Year Research-status Report
難接着性補綴材料を接着可能にする小型紫外線照射装置の開発
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24659855
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高橋 英和 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (90175430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 直彦 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教 (20242216)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 紫外線照射 / 接着強さ / 熱硬化性樹脂 |
Research Abstract |
まず初めに紫外線殺菌保管庫に用いられているUV-Bランプと,より短波長であるUV-Cランプを用いて,マトリックスレジンの異なるファイバーポストの表面に紫外線照射したときのランプの種類と照射時間が接着強さに及ぼす影響を評価した.UV-Bのランプでは,マトリックスレジンに関わらず有意な接着強さの向上が認められた.UV照射の効果はPMMAでは大きいものの,エポキシ樹脂,UDMAではやや小さかった.しかしながらUV-C照射を行っても接着強さにあまり向上せず,UV-Cの効果はやや劣っていた. また,接着が難しいとされているポリアミド系樹脂2製品の接着についてUV-B照射を行った表面の接着強さをせん断試験で評価したところ,いずれの製品もUV-B照射により接着強さの改善が認められた, 試作紫外線照射装置は,当初は市販製品に補助電灯を配置し,排オゾン装置を組み込むことを検討したが,紫外線の出力が小さいために,特に排オゾン装置が必要ないことが判明した,紫外線照射による効果もUV-BとUV-Cで明確な差が認められなかったため,UV-Bランプを3本配置した小型紫外線照射器を試作した.現在はこの試作小型紫外線照射器によるファイバーポストの接着強さに及ぼす影響を検討している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
難接着性材料の表面改質に及ぼす紫外線波長の違いを検討したところ,従来用いているUV-BがUV-Cよりも大きな効果が得られることが明らかとなり,従来のUV-Bランプを用いて試作紫外線照射器を作製した.この試作器による接着性強さへに及ぼす照射時間について現在検討している. また,現在までに得られた結果について投稿原稿を作成中である.
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Strategy for Future Research Activity |
試作装置を用いて,市販ファイバーポストとレジンセメントとの接着性,射出成形型の熱可塑性樹脂と常温重合レジンとの接着について,照射時間,照射距離を変化させてどのように影響するかを検討する. 以上の結果を国内外の学会にて報告し,論文投稿を行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
接着性試験を行うための材料及び,国外の学術大会への参加および,国内外の雑誌への投稿・別刷り代として使用する予定である.
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