2013 Fiscal Year Annual Research Report
難接着性補綴材料を接着可能にする小型紫外線照射装置の開発
Project/Area Number |
24659855
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高橋 英和 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (90175430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 直彦 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教 (20242216)
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Keywords | 紫外線照射 / 難接着材料 / ウレタン樹脂 / エポキシ樹脂 / ファイバーポスト / ナイロン樹脂 / ノンメタルクラスプデンチャ |
Research Abstract |
難接着性補綴材料とされている熱硬化性樹脂を用いていた歯科築造用ファイバーポスト表面に対する紫外線照射の効果を紫外線殺菌庫にて確認した.紫外線殺菌保管庫で用いられているUV-Bランプと,より短波長であるUV-Cランプを,マトリックスレジンとしてUDMA樹脂,エポキシ樹脂とPMMA樹脂を用いたファイバーポストの表面に紫外線照射したときの,ランプの種類と照射時間が接着強さに及ぼす影響を評価した.UV-C, UV-Bのいずれのランプでも,マトリックスレジンにかかわらず有意な接着強さの向上が認められた.UV照射の効果は熱可塑性のPMMA樹脂では大きいものの,熱硬化性のエポキシ樹脂,UDMA樹脂ではやや小さかった.また,接着強さに及ぼす処理時間はUV-CとUV-Bでは異なり,UV-Cの効果はやや劣っていた.赤外分光法により紫外線照射後の樹脂表面の分子構造の変化を評価したところ,C-OとC-Hの吸収ピークに変化が認められた. また,接着性に乏しいとされている義歯床用ポリアミド系樹脂2製品の接着についてUV-B照射を行った表面の接着強さをせん断試験で評価したところ,いずれの製品もUV-B照射により接着強さの改善が認められた.この紫外線照射効果は,サンドブラストを併用することで,接着強さはより向上した.また,加速度劣化試験であるサーマルサイクルを負荷しても接着強の減少の程度は小さかった. この結果をもとに,UV-B紫外線ランプ3本を中央に配置し,中央部のステージが回転する小型紫外線照射装置の試作した.この照射装置を用いてファイバーポストの接着強さを評価したところ,紫外線殺菌庫での処理時間よりも短時間で接着強さが向上した.
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