2012 Fiscal Year Research-status Report
要介護高齢者の食形態診断をアシストできる咀嚼能力評価法の確立
Project/Area Number |
24659860
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
皆木 省吾 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80190693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 悟郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (00172635)
沖 和広 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00346454)
兒玉 直紀 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70534519)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 咀嚼能率 / 咀嚼能力 / 粒度解析 |
Research Abstract |
これまでに咀嚼能力の評価法については多数の研究が行われている。日本国内においては,グミゼリーを用いたグルコース溶出評価法,色変わりチューインガムを用いた混合能力の評価,ATP顆粒剤を用いた方法等が検討されている。基本的に,実際の咀嚼を評価するためには通常の食品を用いた実際の咀嚼を評価することが望ましいが,咀嚼という現象自体の複雑性,さらには混合咀嚼物の再現性のある評価が困難であったことから,規定の被験食品が用いられることが主流になっている。その具体的臨床応用に関する目的は多岐にわたっている。世界の超高齢社会を牽引する日本においては、要介護高齢者のニーズに直結した咀嚼能力評価の目的設定が必要とされている。本研究の命題は、要介護高齢者において、食形態を『ミキサー食』から『刻み(キザミ)食』に改善できるか、および『刻み(キザミ)食』から『ひと口大食』に改善できるかという客観的咀嚼評価法の確立である。したがって本研究は、この臨床判定を行えるように、特定の被検食ではなく日常摂取する食材料を対象として咀嚼能力を正確に評価できる計測方法の確立を目的とする。なお,本計測は自動計測,かつ小型・軽量の計測器を目指し,全国の高齢者施設で容易に実施され得る基盤確立を目指す。食塊粒子のデジタル化を目的とした基準撮影には咀嚼粒子の均等な分散条件を決定する必要がある。このためには,食塊に含まれる唾液成分の除去ならびに,粒子間の疎水相互作用の抑制条件を設定する必要がある。これまでの予備実験において,単一分散溶媒では適切な分散が得られず,複数溶媒の複合による処理によって適切な分散状態が得られることを明らかにしている。これらの分散溶媒を用いて,最適処理時間ならびに最適処理濃度の決定を行った。結果として最適処理濃度については,塩化ベンザルコニウムについては0.06%となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
粒度解析に必要とされる粒子処理について順調に条件設定が進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
1)引き続き混合咀嚼に関する健常成人を対照とした解析を進行させる。 2)高齢者を対象として、高齢者の混合咀嚼に関する咀嚼塊の粒子解析を実施する。 3)進行に応じて、要介護高齢者の咀嚼塊の解析を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
混合咀嚼物の粒度解析を行う。また、高齢者を対象とした解析に必要とされるシステムを継続して完成度を高めるために使用する。
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