2014 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界反応場による組成変換反応を利用した骨置換材の創製
Project/Area Number |
24659862
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
都留 寛治 九州大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (50314654)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 生体材料 / 骨補填材 / アパタイト / 超臨界二酸化炭素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,骨欠損形態に適合可能な比較的大きな炭酸アパタイトブロックの調製に必要な炭酸カルシウム前駆体,あるいは高強度炭酸アパタイトブロックの調製に必要な高強度炭酸カルシウム前駆体を超臨界二酸化炭素と水酸化カルシウム圧粉体の反応で調製し,調製された炭酸カルシウム圧粉体から,溶解-析出型反応で調製された炭酸アパタイトブロックの有用性を細胞および動物実験で探索することを目的としています。 水酸化カルシウム圧粉体の炭酸化について検討した結果,超臨界二酸化炭素を用いる方法は炭酸ガス雰囲気による従来法と比較して,迅速に炭酸化できることを明らかにしました。さらに,超臨界二酸化炭素を用いて作製したカルサイト前駆体は,従来法で作製したカルサイト前駆体と同様の条件(1mol/L Na2HPO4溶液,80℃,7-14日間浸漬)で炭酸アパタイトに相変換されることを確認しました。 ラットの骨髄由来細胞を炭酸アパタイトディスク表面に播種したところ,良好に接着・増殖する様子が確認されました。炭酸アパタイトディスクの作製に用いる前駆体の調製法(超臨界二酸化炭素or炭酸ガス雰囲気)は細胞適合性に影響を及ぼさないことが確認されました。ラットを用いて炭酸アパタイトの骨伝導性を組織学的に評価した結果,前駆体の調製法は炭酸アパタイトの骨伝導性に影響を及ぼさないことが確認されました。 以上のことから,超臨界二酸化炭素を用いた水酸化カルシウム圧粉体の炭酸化は,炭酸アパタイト骨補填材の前駆体である炭酸カルシウム硬化体の作製において有効であると結論づけた。
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Research Products
(2 results)