2012 Fiscal Year Research-status Report
白金ナノコロイドとキマーゼ阻害薬を応用したドライマウス用粘膜活性保湿ジェルの創製
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24659863
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
村田 比呂司 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40229993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 正宏 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00294570)
黒木 唯文 長崎大学, 大学病院, 助教 (70404225)
山下 利佳 長崎大学, 大学病院, 助教 (50336179)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 歯学 / 保湿ジェル / ドライマウス / 白金ナノコロイド / 粘膜活性 |
Research Abstract |
65歳以上の高齢者のうち56.1%がドライマウス(口腔乾燥症)を自覚しており(厚生労働省長寿科学総合研究事業「高齢者の口腔乾燥症と唾液物性に関する研究」)、さらに高齢義歯患者では顎堤が高度に吸収し不動粘膜(角化歯肉)が不足していることが多い。唾液や口腔内の不動粘膜は義歯の維持・安定性に非常に重要な役割を果たしている。本研究では国内外を通じて初の試みとなる、①抗酸化作用による粘膜損傷治癒作用を有する白金ナノコロイドと②不動粘膜を増大させると考えられるキマーゼ阻害薬(瘢痕化抑制剤)を応用したドライマウス用粘膜活性保湿ジェルを創製することを目的とする。本剤の実用化と普及は、高齢義歯患者とくに条件の不利な顎堤とドライマウスを有する患者のQOL向上に寄与するものと期待される。さらに口腔領域以外の他科領域における創薬にも貢献するものと考えられる。 平成24年度はまず市販保湿ジェルおよび義歯安定剤等のレオロジー特性の評価を行った。またこれらに関連した内容を日本補綴歯科学会、日本歯科理工学会等で成果発表を16件ほど行った。これらは主として音叉型振動式粘度計により測定したものであるが、現在AR-G2レオメーターによる評価方法を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度はまず口腔保湿ジェルおよび類似の材料である義歯安定剤のレオロジー的性質の基本的特性についての評価を行った。これらの測定は音叉型振動式粘度計にて粘度を計測したものであるが、現在AR-G2レオメーターを用いた動的粘弾性の解析方法について検討中である。上記の研究に関して16件の学会発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度はとくに白金ナノコロイドの効果について評価する予定である。また24年度中盤から検討している動的粘弾性の評価方法についての確立も目指す。口腔保湿ジェルの成分とレオロジー的の関係についても評価する予定である。可能であれば本使用目的に適する成分を平成25年度中に決めたいと思う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度において白金ナノコロイドの評価が終了していないため、平成25年度はとくに研究費を重点的にこの評価にあてる予定である。その他、口腔保湿ジェルの基本的成分である種々の水溶性高分子(天然高分子〔ヒアルロン酸、カラヤガム、ローカストビンガム等〕、半合成高分子〔カルボキシメチルセルロース、可溶性デンプン等〕、合成高分子〔メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体等〕)、湿潤剤(グリセリン、プロピレングリコール等)、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル)、フィラー(シラスバルーン、ケイソウ土、炭酸カルシウム等)、pH調整剤等の購入も行う。また研究成果を学会で発表するための旅費も計上する予定である。
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