2013 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄幹細胞及びiPS細胞の多分化能維持におけるALPの機能解明とその応用
Project/Area Number |
24659866
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 邦明 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (40133748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 敏之 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50226172)
出山 義昭 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (80271667)
飯田 一規 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (30585237)
玉置 也剛 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40585303)
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Keywords | アルカリ性ホスファターゼ / 歯髄幹細胞 / iPS細胞 / 多分化能 / 酵素阻害剤 / 酵素基質 |
Research Abstract |
1.平成25年度までに、岐阜大学の柴田研究室では、新たなヒト歯髄由来幹細胞を樹立して幹細胞性と分化能に関する検討を行い、鈴木研究室では、柴田研究室の細胞を用いて、細胞の初期化によってALP活性が発現し、そのALPのタイプを阻害剤に対する応答性から判定することが可能であることを示した。また、鈴木研究室においてもiPS細胞の培養を行える準備をした。さらに、腫瘍系のP19細胞をレチノイン酸処理して神経系の細胞に分化させ、そのALP活性の性質の変化を検出する研究を開始した。 2.平成25年度には、腫瘍系のP19細胞を神経系の細胞に分化させても、ALPのタイプは変わらないがビスホスホネートに対する反応性に差が出ることを見いだした。また、その他の腫瘍系の細胞はいずれも臓器非特異型ALPの基質反応性を示すことを明らかにし、腫瘍化によりALPは特異性を失うことが示唆された。 3.種々のALPを用いて、その基質特異性と阻害剤に対する感受性を広く検討した。その結果、ALPのタイプは異なっても基質に対する親和性と活性のpH依存性などALPの基質特異性はほとんど変わらないこと、また、各種の阻害剤に対する応答性はALPのタイプによって異なることを明らかにした。さらに、ALP活性の至適pHは測定時の基質によって異なりピロリン酸、リン酸化されたペプチド及びATPでは中性側にシフトすることから、生体内での基質に対してはより生理的なpHで機能することが示唆され、ALPに関する謎である、非生理的な至適pHに関して重要な情報が得られた。 4.一連の研究から、iPS化した細胞及び腫瘍化した細胞のALPはいずれも臓器非特異型ALPの性質を示すことから,細胞の初期化及び腫瘍化との関連で興味深いが例数を増加させた検討が必要であり、研究を継続中である。
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Research Products
(10 results)