2013 Fiscal Year Annual Research Report
再構築された幹細胞ニッチェ中を用いた歯根膜由来幹細胞の未分化維持増殖
Project/Area Number |
24659867
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
干場 隆志 山形大学, 理工学研究科, 助教 (00469769)
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Keywords | 歯根膜細胞 / 細胞外マトリックス / 幹細胞ニッチェ / 脱細胞化 |
Research Abstract |
歯根膜細胞、間葉系幹細胞、およびヒト線維芽細胞より形成した脱細胞化マトリックスにより、歯根膜細胞を培養できるか、さらに、培養した際に歯根膜細胞の増殖に違いが見られるか評価した。 3種類の細胞を2週間培養後、脱細胞化処理を行った。脱細胞化前後のサンプルで細胞核およびアクチン線維を染色したところ、脱細胞化前には明瞭な細胞核およびアクチン繊維を観察することができたが、脱細胞化後では観察することができなかった。さらに、脱細胞化後のサンプルをクマシーブリリアントブルー染色を行ったところ、青色に染色されたことから、脱細胞化後でも細胞が形成した細胞外マトリックス(ECM)が残存していることが明らかになった。 作製した3種類の脱細胞化マトリックスに歯根膜細胞は接着することができ、特に歯根膜細胞が形成した脱細胞化マトリックス上でよく接着していた。また、各脱細胞化マトリックス上で歯根膜細胞の増殖を比較したところ、線維芽細胞が形成した脱細胞化マトリックス上では歯根膜細胞は通常の培養基板上と同様によく増殖した。一方、間葉系幹細胞、歯根膜細胞が形成した脱細胞化マトリックス上では、歯根膜細胞の増殖は抑制されていた。間葉系幹細胞はもとより、歯根膜細胞には幹細胞が含まれていることが知られている。幹細胞を含む細胞集団が形成した脱細胞化マトリックス上では歯根膜細胞の増殖が抑制されると考えられた。今後、歯根膜細胞の中の細胞集団に増殖の違いが見られたのか明らかにする必要がある。 本研究では、歯根膜細胞のニッチェを構築するための脱細胞化マトリックスの作製と機能評価を行った。その結果、幹細胞を含む細胞集団と含まない細胞とで細胞増殖が異なることが明らかとなった。このような違いが生じるメカニズムを明らかにすることにより、歯根膜細胞のニッチェの生体外での再構築が可能になると期待できる。
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Research Products
(12 results)