2012 Fiscal Year Research-status Report
歯科用ジルコニアセラミックスの内部微小欠陥検出法の開発
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24659868
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
宇尾 基弘 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20242042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 諭 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (20324006)
和田 敬広 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10632317)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 歯科材料学 / ジルコニア / 微細構造 |
Research Abstract |
本年度は厚さ100ミクロン以下に薄切・研磨したジルコニア標本を作製し、光学顕微鏡による欠陥(気泡)の面内分布計測を試みた。対象試験片としては、市販歯科用ジルコニア製品でHIP焼結体を用いるものNanoZR(Panasonic)と半焼結体を用いるもの(Cercon(Degudent)を選択し、これらを通法に従って焼結・加工し、精密切断機で約300ミクロン程度に切断したのちに、研磨機により100ミクロン程度に研磨して標本を作製した。 この試料を光学顕微鏡で透過法によって観察を行い、内部欠陥の観察を試みた。HIPによる完全焼結体を原料とするNanoZRには、欠陥が観察されなかったが、半焼結体を加工し、その後に常圧焼結を行うCerconでは一部に気泡のような部位が見受けられたため、試料数を増やして、再現性を確認する必要があると考えられた。 またジルコニア焼結体の強度については、曲げ試験による評価をあわせて行っており、現在の所では、既往の報告にあるとおり、NanoZRの曲げ強度が他の製品に比較してやや高い価を示しており、強度と内在欠陥の関係について、さらに考察する必要があることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
欠陥観察用ジルコニア試験片の内部欠陥観察用試料作成の条件がある程度、確立できたことにより、今後の種々の欠陥評価が可能となった。 X線マイクロCTによる内部欠陥観察については、極めて高エネルギーのX線源が必要であることが判明し、現在、それが可能な測定施設について策定中である。
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Strategy for Future Research Activity |
ジルコニア試験片の試料の種類、および試料数を増やして、内部欠陥の観察条件を確立すると共に、ジルコニアの作成条件と欠陥数・形態の関係を調査する。 マイクロCT観察については分析可能条件をより詳細に検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ジルコニア切断・研磨用消耗品に使用する。
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